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悠里さんの許可を得て今日からアルバイト探しを始める。
とはいっても小学生に間違われるほどの見た目と、天鵞絨以外の街ではなぜか危険にさらされるという事から、私のバイト先は天鵞絨町内で探すこととなった。
それに天鵞絨町なら昔馴染みの人もたくさんいて悠里さんも安心だからだという理由もあった。
「という事で一件目行ってみよう!」
10秒後
「マジかよ、決まっちゃったよ」
まさかこんなすぐに決まるとは思っていなかったので拍子抜けだ。
手始めに昔からよく通っていた中華料理店に来てみたら…
ガラガラ
「おじさーん」
一義「今いない」
「じゃあ一義兄さんでいいや。バイトさせてくーださいっ」
一義「うんいいよ」
「マジ?」
一義「マジ」
で採用されてしまったのだ。
そして「マジかよ、決まっちゃったよ」になるわけだ。
話が早いにも程がある。
一義「今から入れる?」
「え、あ、うん」
因みに私を採用したこの人は中華料理店「まるおか」の次期店主、一義兄さん。
現店主でもないこの人に私は採用されてしまったのだ。
「おじさんに相談しなくていいの?」
一義「シルフなら問題ないよ。むしろ喜ぶんじゃないかな?」
「はは、まあその姿は安易に想像できちゃうけど」
一義「でしょ?だから大丈夫。それにうちには悠里さんもよく来るから、安心なんじゃない?」
「え、そうなの?」
一義兄さんは生ぬるくにっこり笑って厨房に入って行った。
意味深なその笑みに背筋がぞわっとしたけど、何はともあれ雇ってもらえるならありがたい。
「今日からよろしく願いします」
一義「こちらこそ」
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ヤトソラ(プロフ) - ぽんさん» すみません!外し忘れてました!報告ありがとうございます。orz (2020年9月19日 16時) (レス) id: 93b600d8e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤトラ | 作成日時:2020年9月19日 15時