神様にもわからない＃2 (ページ11)

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公演まであと5週間、そろそろチケット販売を始めないといけない頃だ。

松川さんに聞いてみると公式サイトで告知を開始したと言っていた。

松川さんの作るHPはチカチカして見づらいから私が手を加えようかと思った事も何度かある。

前の世界では貧血気味で外で遊ぶことも控えていたので、家の中でゲームをするかPCでブログを書いたりして過ごすことが多かった。

だから松川さんの作るものよりはマシになる自信があった。

でもそれはしなかった。

だって私が手を加えた普通のHPじゃあデザイナーに頼もうという流れにならないかもしれなかったから。

そうすると一成が劇団に来ない可能性があった。

松川「そんなにダメかなー？」

案の定いづみ達に公式サイトを見せた後、新しいデザイナーに依頼することになった。

もし私が手を加えていたら、どうなっていたんだろう。

純粋な疑問だけど、考えれば考えるほど恐ろしい。

午後になり、今日は劇場の舞台で稽古をすることになっていたので劇場に来た。

劇場で稽古をするときはタオルと飲み物、それから軽食を持ってくる。

劇場内のドア付近で皆の邪魔にならないように稽古を見るのが昔からの私のスタイルだ。

一成「こんちはー！」

「わあ！」

一成「わっ！びっくりんごー！」

「それはこっちだよ。いきなり大声で入ってこないでよ」

一成「めんごめんご。てかすっげー！何これ。マジ舞台とか初めて立った。広えー！テンアゲすぎ！」

いつも通りドア横で立ってたら、突然ドアが開いてパリピ、三好一成が入ってきた。

一成は舞台に上がってパリピらしくはしゃいでいる。

驚き戸惑ういづみに綴が説明をしてサイトとフライヤーは頼めることになった。

ただ話が終わっても一成は舞台から降りる気配はなく、綴が怒って「ジャマなんで、帰れ」と追い出した。

かなり強引だったので心配するいづみ、何も心配する事は無いけど一応劇場を出た一成に一言謝っておこうと私は劇場を出た。