神様にもわからない＃2 (ページ2)

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夜、炊飯器にお米をセットし終え、寝ようと部屋に向かう途中、中庭に白い大きな塊が目に入った。

まさか幽霊？と思いそっと陰から覗くと、咲也とシトロンが布団を抱えていた。

「ちょっと、こんな時間に何してるの？」

咲也「あ、神様、実は…」

声を掛けると、どうやら咲也が今日雄三さんに舞台の事を分かってないと言われたことが忘れられず、舞台で寝ようとしているらしい。

それにシトロンと綴も付き合うらしく、ここにはいない真澄と至も巻き込むらしい。

「だったら布団運ぶの手伝うよ」

咲也「大丈夫です！神様は女の子だしこんな時間に危ないです！」

「こんな時間に布団抱えて歩いてるのも十分危ない人だけどね」

綴「まちがいない」

「じゃあ私は至連れて来る」

咲也「すみません、お願いします」

そういえばこんな事もあったな、とまた思い出した。

舞台で寝るなんて、きっと咲也にしか思いつけない。

「至、今日は雑魚寝だよ」

至「は？」

「はい布団持って、ほれほれ」

至「ちょ、なに」

「ゲームも一旦やめて、っと」

至「あ！」

「はいはいはい～」

布団を至に無理やり持たせて、私は枕を抱えて至の背中をぐいぐい押す。

引きこもりの体力なんて怖くもない。

毎日この広い寮と劇場を掃除して駆け回ってる私の方がよっぽど体力があるのだから。

訳も分からないまま押される至を連れて、劇場へ。

咲也「至さんも付き合わせちゃってすみません」

至「俺はゲームがあれば別にどこでも寝られるから
訳も説明せずに連行されるのは困るけど」

「ゲームが無いと死んじゃうもんね～
じゃあ私は寮に戻るね」

咲也「そんな、一人で帰るなんて危ないですよ！」

シトロン「カミサマも一緒に雑魚寝すると思ったヨ」

「大丈夫！私神様だから！」

綴「それはあだ名の話だろ」

「大丈夫大丈夫！私マジで無敵だから！」

真澄「うるさい」

「真澄は相変わらずマイペースだね。
じゃ、おやすみ」

皆の寝る準備できたので私は寮に戻った。

こんな夜遅くに女の子一人で、なんて言われたけど、まあ何事もなく無事に帰って来て、何事もなかったように自分の部屋で眠りに就いた。