40話 ページ43
『…ん…ぅえっ』
何となく苦しくて目を開けると、お腹の辺りに何者かの腕が見えた。
まぁ、正体はすぐにわかったのだが、
『…っだんちょ、離して、ください、…吐きそう…』
潰れるほど強く抱きしめないで欲しい。
寝てるのになんつー馬鹿力だ。
「…んん…?A、おはよう…」
ぎゅうううううっ
『ぅぉおおおお!ギブ、ギブ、…!
第二のゲロインが産まれるゥゥゥゥゥ!』
「あ、ごめーん」なんて軽いノリで謝られたが、こっちは死にかけたんだから土下座くらいはする所だろう。
でも、朝起きて隣に誰かがいてくれるのは嬉しい。
そんな意味も込めて鍛え上げられた体に抱きつけば、
調子に乗って馬乗りになってきたので頭突きを食らわしてやった。
___私はあの後、団長に全てを話した。
怖かったけど、きっと受け入れてくれるって思ったから。
団長は、何も言わずに私を宥めながら話を聞いてくれて、
なかなか明かさない過去の話までしてくれた。
話を聞くだけでも辛くて、泣き疲れて寝落ちして、
今に至る。
「ねぇ、A、
俺と付き合ってくれる?」
不意に抱きしめられて言われたのはそんな言葉で、
何となく気恥ずかしくて頷くことしか出来なかった。
そんな私を見て、
「もちろん、結婚前提でね」
なんて耳元で呟く彼は本当にずるい。
大好きだとか、ありがとうだとか、言いたいことは沢山あるけど、
今はこの体温に包まれていたい。
なんかもう、よく分からない心情だから全部ひっくるめて、
満面の笑みを彼に向けた。
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もへじ(プロフ) - 遺蟲響さん» え、私人殺しになっちゃったんですか。どうしてくれるんですか (2021年4月1日 14時) (レス) id: cd58d01fb4 (このIDを非表示/違反報告)
遺蟲響 - 尊すぎて死にました。どうしてくれるんですか (2021年3月30日 9時) (レス) id: 14356a84aa (このIDを非表示/違反報告)
uardybm1tcracbx(プロフ) - ぴえん〜うわぁ (2020年7月28日 23時) (レス) id: e253de0859 (このIDを非表示/違反報告)
uardybm1tcracbx(プロフ) - 胸キュンがエグいわ…w 『〜が俺の事嫌いになっても、俺はずっと〜を護るから』って破壊力やばいって!! (2020年7月20日 19時) (レス) id: e253de0859 (このIDを非表示/違反報告)
uardybm1tcracbx(プロフ) - miuだよ〜!ニックネーム変わったけど気にしないでっ!魚おぉぉぉっ!!!本当に、泣かせに来てるよねwwマジ、最初っから涙腺崩壊wやばいねー感動ものだよっ!!シリアス大変だけどw頑張ってねー!地獄の底まで応援してるよっ!!!! (2020年7月20日 19時) (レス) id: e253de0859 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もへじ | 作成日時:2020年5月11日 6時