第四十八話 ページ48
「海に？何処の海？」
高須先生から得た杉先生の居場所。
珍しく今日はいないと思っていたAも一緒という不思議な展開になっていた。
勿論俺ひとりではどうにか出来るなんて思っていない。
そう考えたら、俺の足は何時もの三人が居るあの場所へ向かっていた。
「わからない。昨日の夜からお酒を飲んでそれっきり行方が判らないらしいんだよ」
「飲んだのはどの辺り？」
話を聞いてくれる吉田と入江とうってかわってずっと校舎外を眺めている高杉に少しモヤモヤをかかえる。
けれど、俺がひとりでどうにも出来ないことでもきっとこの三人ならなんとかしてくれるかもしれない、そう思って判る限りのことを伝えた。
「高須先生は城東橋って言ってたけど･･････」
すると、無言で階段を上り始めた高杉。
その背に、待ったをかけて言葉を投げた。
「杉先生がどこにいるのか、今の話でわかったんだろ？だったら助けてあげてよ！」
高杉ならそのくらいおてのものだろうから。
高須先生によるとAが熱を出しているとも言っていた。
だったら尚更どうにかしなくちゃならない。
「どうしてそこまであのダメ教師に入れ込む」
「同じだろ！やり方は違うかもしれないけど杉先生も学校をなんとかしなくちゃって頑張ってる！」
――君達と同じだろ？
珍しく意見を向けてくれた高杉へ素直に答える。
けれど、背を向けてばかりの高杉。
「それに･･････」
視線を高杉から外しつつこれだけ焦っている要因を伝えた。
「Aも･･････一緒なんだ」
「えっ、Aさんも！？」
「何でAが一緒に？」
「それは･･････わからないけど･･････風邪引いて熱も出てるって」
けれど、それには高杉よりも吉田と入江が食い気味に何故かときいてきた。
わからないなりに知っていることを伝えれば、難しい顔をしはじめた二人。
「この時期に海の上で寝ればそれは確かに風邪も引くだろうけど･･････どうする？高杉君」
「Aのことだ。大方出会したあの教師を助けようとでもしたんだろう」
「そこまでわかってるなら尚更助けてやってくれよ！同じクラスメイトだろ！」
俺よりもAのことをわかっていながら何もしない高杉を理解出来なかった。
何を言っても俺の方へは決して向かない高杉の視線。
けれど、その数秒後に少しづつゆっくりと振り返ってくれた高杉は何時もの難しい顔のまま口角だけあげて三人ともいなくなった。
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nanase.(プロフ) - りょうこさん» こんにちは。この度は本作品をお読みいただき誠にありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです！これからも頑張って執筆致しますのでよろしくお願い致します！ (2020年6月19日 20時) (
レス) id: 62dfa2fa96 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ - 好きな作品なので、いつも楽しみにしています！3人ともカッコイイので、続きが待ち遠しいです！ (2020年6月19日 0時) (レス) id: ba306ee394 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nanase。 | 作成日時：2020年4月11日 1時
