第四十話 ページ40
B組のある方から大きな物音がしてハッと足を止める。
なんだか既視感があるようで厭な予感がするとクラスへ向かってみれば、案の定さっきまで荒れていたのであろう状態が目に飛び込んできた。
机は色んな方へ倒れ、その拍子に飛び出た教科書類が床に散乱していた。
そして顔に傷がある久坂。
おおかたサイトのことで沢渡と揉めたのだろう。
休みの時間中だというのに至極迷惑極まりない。
「何とかしたかったんだよ」
「何とかしたかったで喧嘩してどうすんのよ･･････」
とりあえず怪我をしていた久坂だけ保健室に連れ込んだ。
一応担任である杉先生に報告すれば、必要もないのに一緒に保健室へついてきた。
そして丸椅子に三人で座り、私は久坂の手当のためにと脱脂綿に消毒液を漏らしながら話を聞く。
「皆サイトの書き込みばっかり気にしてるし、クラスの雰囲気は悪くなるし」
「私も書かれてたな〜」
「Aが！？えっ、なんて？」
サラッと書かれていたことを報告すれば食い気味に私の方へ顔を近づける久坂。
ソレに視線を逸らしながらサイトに書いてあったことをぼんやりと思い出して語る。
「ん〜お節介がどうとかいい子ぶってるとか･･････まぁとりあえず僻みみたいなもんよ。気にしてないし」
「そんな、いいわけないだろ！！それがAのいいところ――」
「は〜い有難いけど怪我人はお静かに」
「いって！」
案の定ヒートアップしそうになった久坂の擦れた腕に消毒液を染みこませた脱脂綿で少し強めに押さえつけた。
すると、期待通りの反応で気が逸れた久坂は座り直すなり静かに口を開く。
「俺は学校をもっと良くしたい」
静かに語り出した久坂の発言に胸を打たれたのか"久坂･･････"とだけ呟いた先生。
その後、俯いていた表情からバッと前を見据えて堂々とした久坂。
そして言葉を発する。
「ていうかもっと楽しくしたい」
「君は心配しなくていい。先生が何とかする」
「何とかって･･････？」
「何とかするから」
「似てるわ、二人とも」
心の底から漏れた声に二人してえ？と聞き返してくる。
こういったところもだが、性格の根本が似ているのだろう。
いってることも考えている事も皆にている。
故に協力し合い、生徒も教師も関係なくお互いに高め合えるのだろう。
そう考えると少しずつではあるが、確実に最初の頃から見えない部分が変わってきている。
「流石･･････スーパー中学生･･････――」
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nanase.(プロフ) - りょうこさん» こんにちは。この度は本作品をお読みいただき誠にありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです！これからも頑張って執筆致しますのでよろしくお願い致します！ (2020年6月19日 20時) (
レス) id: 62dfa2fa96 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ - 好きな作品なので、いつも楽しみにしています！3人ともカッコイイので、続きが待ち遠しいです！ (2020年6月19日 0時) (レス) id: ba306ee394 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nanase。 | 作成日時：2020年4月11日 1時
