第三十八話 ページ38
今日は三人が居る為、土手には行かずそのまま学校内へ入っていった。
すると、玄関口の掲示板辺りで朝からなにやら人集りが出来ている。
そこにいた女子達が入江と吉田君を見るなり黄色い歓声をあげる。
「八中勝手に何でもランキング？」
黄色い歓声の元となっていた掲示板の題名を読み上げれば、そこには五つほどの誰とも知れない人々が本当に勝手にランキングしていた掲示物があった。
そしてその中のひとつである"彼氏にしたい人"ランキングで一位と二位を入江と吉田君が独占していたのだ。
「あ〜、だからね」
「まっ、想定内だな」
黄色い歓声の意味に納得している私の側で反応を見せる入江と静かに手だけ上げる吉田君。
ランキング表には名前の下にコメント欄があり、入江は"何時も優しい"、吉田君は"笑顔がカワイイ"と書かれていた。
「吉田君はわかるけど、入江の優しさはわからんな」
「へぇ〜あんだけ助けてあげたのにまだ俺の優しさに気付いてないの？Aは」
「わっ！馬鹿！ちょっ、」
心の声をそのまま表に出して入江へちょっかいをかけてしまった私。
悪戯顔でそのちょっかいを何倍にもして返してきた入江のお陰で今の私は女子からの視線が痛い。
すると、女子達が醸し出す雰囲気より面倒くさそうな雰囲気を纏っている男子が奥の方にいた。
その男子とは二人がランクインした"彼氏にしたい人"ランキングにランクインしていなかった高杉だった。
流石になんだか可哀想に思えたのでそっとその場を離れて高杉の元へ行く。
「大丈夫。私も何処にもランクインしてないから。なんなら彼女にしたい人にも芸能人になりそうな人ランキングにもランクインしたかったから」
「A――」
高杉の肩を叩きながらお互いに傷を共有し合う様に頷きつつ私の悲痛な叫びも口からもらす。
その様子に親近感を覚えてくれたのか、苗字を呼びながら私を見つめる高杉。
けれど、
「高杉君、圏外だったね」
「なんかごめん、俺達だけ」
と、無意識な発言で追い討ちをかける入江と吉田君。
すると、
「別に、？気にして、ないから？」
と明らかに気にしている雰囲気と声音で反応する高杉。
そんな高杉に哀れな視線をおくっていると、横から土屋君がやってきた。
そして高杉の肩を軽くポンポンと叩いた。
しかし、それが女子だと思っていたのかとびきりの笑顔で振り返った高杉
「気にするなって。男は顔じゃない」
――高杉ドンマイ
と気付けば声は漏れていた。
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nanase.(プロフ) - りょうこさん» こんにちは。この度は本作品をお読みいただき誠にありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです！これからも頑張って執筆致しますのでよろしくお願い致します！ (2020年6月19日 20時) (
レス) id: 62dfa2fa96 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ - 好きな作品なので、いつも楽しみにしています！3人ともカッコイイので、続きが待ち遠しいです！ (2020年6月19日 0時) (レス) id: ba306ee394 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nanase。 | 作成日時：2020年4月11日 1時
