第二十五話 ページ25
「君を処分しに来た」
「は？」
至極冷静に言い放った高杉の言葉へでしょうねと納得する私と逆に何を言っているのか理解出来ないとでもいいたげな反応を出す久坂。
「今回の罰として反省文を書きたまえ」
「何言ってんの？」
「君は生徒の味方じゃないのか!」
「アンタはどっちの味方なのよ･･････」
大崎さんまでもが耐えかね、高杉へ疑問を口にする。
そして唯一、今の問題の根本をわかっているのかわかっていないのか真意を図りかねる発言をする久坂に呆れ気味に問いかけた。
「え？」
「過ちを犯した愚かな人間の味方になる気は無い。反省文を書くことで君の処分としよう」
そう言って大量の原稿用紙を引っ張り出した高杉は机の上へ投げ捨てる様にしてその大量の原稿用紙を大崎さんへ渡した。
その様子に口籠もる久坂と大崎さん。
そんな二人に何の声をかけるでも無く私はそのまま生徒指導室をあとにした。
「にしても、雑すぎでしょ･･････」
脳内で遡るさっきの高杉の行動。
大方久坂が余計なことを言って、今回も罰が無くなると予測したのだろう。
だからと言ってもっと他にやり方があるのではないのだろうかと漏れた心の声。
すると、
「あれくらいしなければ処分にはならない」
「びっ･･････くりした･･････」
どうやら用は済んだらしい高杉が後ろから反応してきたことに驚いて肩を窄める。
当の本人は何も気にせず私の横を通り過ぎようとしていた。
「ちょ、高杉」
何処か焦りを含んだ声音で高杉を呼び止める。
その呼びかけには応えてくれた様で、足を止めて目を合わせる高杉。
「なんだ」
「どうせこの件で今度は高須に目を付けるんでしょ？確かに高須も褒められたことしてないけど、でも、杉先生が今まで徹底的に他の先生に酷いこと言われたりしなかったのも一番に高須が杉先生を怒って――」
「Aこそ一体どっちの味方なんだ」
「それは･･････」
何となく正しくは無いと知りつつそれでも周りとつかず離れずの位置を保ち、本当はそれなりに人を思いやることも出来る高須。
一応ダメ教師であっても高須なりに周りを見ていたことだけは伝えなくてはと謎に使命感を抱いて高杉へ説明をすれば、全てを言いきる前に言葉を遮られた。
そして私へ向けられた言葉は先刻の私が久坂へ向けた言葉と同じもの。
言われていることは何一つ間違っていない。
故に何も言い返せる言葉が無い
「そもそもそんなこと俺には関係ない」
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nanase.(プロフ) - りょうこさん» こんにちは。この度は本作品をお読みいただき誠にありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです！これからも頑張って執筆致しますのでよろしくお願い致します！ (2020年6月19日 20時) (
レス) id: 62dfa2fa96 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ - 好きな作品なので、いつも楽しみにしています！3人ともカッコイイので、続きが待ち遠しいです！ (2020年6月19日 0時) (レス) id: ba306ee394 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nanase。 | 作成日時：2020年4月11日 1時
