第一話 ページ1
「あ〜ぁ、今日の天気は曇りかぁ〜･･････」
通学の道中、何時ものお決まりの場所である学校の前にある土手に寝そべり、今にも垂れてきそうな重たく淀んでいる空を見上げながら独りでに溜息を吐く。
始業式開始まで未だ少し時間はあるなと携帯で時刻を確認し、そのままブレザーの内ポケットにしまい込んで大きく欠伸をした。
今日から新学期が始まる。
私が通うこの城東区立第八中学校は今まさに統廃合されてしまう危機に瀕している、世間一般で言うところのお荷物学校のようなモノだろう。
まだ正式に決まったという訳ではないが、この学校に勤務している先生達の態度や意欲を見れば殆ど決まっているも同然の様なものなのだと大体察しはつく。
卒業までにその話がどうなるのか、はたして私はこの学校で･･････第八中学校の生徒として卒業できるのかと素朴な疑問が脳裏を過ぎったが、先のことを考えても今は何の意味もないなと寝返りを打ったまま私の意識はゆっくりと夢の中へ落ちていった。
＊ ＊ ＊ ＊
「んッ･･････」
何処からか聞こえてきた音楽と微細な振動に目を掠める。
どうも寝起きはいつもスッキリしないと眉間に皺を寄せつつ辺りを見回した。
「あー･･････あ？」
いまいち状況が飲み込めていない私へ何かを主張するように未だ鳴り続ける音楽。
少しの間をおいて漸く自分の携帯からだと理解すれば、しまい込んでいた内ポケットから取り出してサブディスプレイを確認すると其処には"学校"の文字。
「やっっば、遅刻だっ！！」
鳴り続ける携帯を受けることなく握りしめたまま、慌ただしく起き上がって目の前にある学校へ駆けだした。
新学期早々校外を爆走する羽目になるなんてついてないなんて軽く自分に対して落胆しつつも何とか校内に着く。
すると、今丁度始業式が終わった処だったのか生徒達がわらわらと体育館側の方から歩いてきた。
「ラッキー･･････」
今この状態に便乗すれば私が遅刻してきたことはきっとバレないだろうと悪い知恵ばかりが働き、コソコソと靴を履き替えていた動作は次第に堂々としたモノへ変わっていく。
そのまま慣れた足取りで私のクラス――二年B組へ向かう。
今日って授業あったかななんて呑気なことを考えながら歩いていると、次第に見えてきたB組を囲うように大きな人だかりが出来ていた。
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nanase.(プロフ) - りょうこさん» こんにちは。この度は本作品をお読みいただき誠にありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです！これからも頑張って執筆致しますのでよろしくお願い致します！ (2020年6月19日 20時) (
レス) id: 62dfa2fa96 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ - 好きな作品なので、いつも楽しみにしています！3人ともカッコイイので、続きが待ち遠しいです！ (2020年6月19日 0時) (レス) id: ba306ee394 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nanase。 | 作成日時：2020年4月11日 1時
