続 ページ43
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シャオロンは連邦でのスパイ活動と併せて、連邦軍内外で反乱軍の協力者獲得に奔走している。
帝国と敵対している連邦国内において、帝国反乱軍の協力者を得ることはそう難しいことではないだろう。敵の敵は味方という理屈であれば。
しかしその実、当然ではあるが容易な訳でもなかった。
連邦でグルッペン・フューラーといえば、帝国領全土でその名を轟かす民間軍事会社G.DFの代表であるという認識が染みついており、どうにも“帝国の権力者”というイメージが払拭されずにいる。
おまけに連邦軍内部では、帝連戦争で大きく立ちはだかった“碧眼”という“帝国のネームド指揮官”という畏怖と憎しみの対象でもあったため、その彼が総統の地位に就いているというだけで、反乱軍の話題を持ち掛けるのは多少憚られたのである。
だがそのような逆境の中でも、シャオロンは確実に己の責務を果たしていた。
彼は持ち前の人当たりの良さで相手の懐に入り込み、まずは軍外部にコネクションを獲得。
次段階ではコネクションを利用してその拡大と信頼関係の構築を行い、事前の条件確認や契約を経て、反乱軍と複数の連邦企業との提携を取り付けることに成功する。
現在、連邦国内である程度のバックボーンを得たシャオロンは、連邦軍内部での組織拡大に焦点を絞り、秘密裏に反乱軍への勧誘を進めている。
その最終目標は“帝国反乱軍と連邦の相互理解による、協力関係ないし同盟関係の樹立”であるが、実現には並々ならぬ労力と時間が掛かることが予想される。
しかしシャオロンの活動に焦りは禁物だ。
そして彼自身もそれを十二分に理解していた。
それ故これから先の長期戦に向け、彼が気持ちを新たに腹を括った時期のことだった。
ウラル側社から、彼に接触してきたのである。
「なるほどな…なあシャオロン、これは俺の個人的な質問なんやけど」
シャオロンからの報告を聞き終えたコネシマは、少し声のトーンを落としてシャオロンに問いかけた。
言い方はいつものようなぶっきらぼうさが目立っていたが、その声は何処か不安や心配の色をのぞかせている。
「…お前としてはどうなんや。そっちでずっと地道に活動して出した結果が、今回のウラル社との接触で全部塗りつぶされてしまうかもしれん…圧倒的な権力との関係が出来ることは確かにええことやけど、でも、」
「シッマ」
黙って彼の言葉を聞いていたシャオロンは、静かにその続きを遮った。
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にらもやし(プロフ) - ささはらさん» コメントありがとうございます。言葉選びにはとても気を使っているので、楽しんでいただけているようで大変嬉しいです。更新頑張らせていただきます。ささはらさんも勉強頑張ってね…！ (2018年3月4日 19時) (
レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
ささはら(プロフ) - 事細かな描写への言葉選びが卓越していて、読み進めるのが大変楽しいです。語彙が多いのが羨ましい限りです…。勉強の合間にいつも読ませて頂いています。更新頑張ってください、全力で応援してます。 (2018年3月4日 0時) (レス) id: ed6ccbb613 (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - もろとさん» コメントありがとうございます。美しい、とは勿体ないです…ありがとうございます。とても嬉しいです、これからも精進していきますのでよろしくお願いします (2018年2月15日 13時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
もろと(プロフ) - 読みはじめて最初に出た言葉が「わぁ！」でした。とても美しくて、読んでいると頭に映像が流れ込んでくるみたいです！凄く好きです。これからも頑張ってください！ (2018年2月14日 20時) (レス) id: 8eb97f1a18 (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - 白玉(つぶあん)さん» コメントありがとうございます。言葉や言い回しにはとても気を遣っているので、そう言って貰えるとニヤついてしまいます。更新頑張らせていただきます (2018年1月3日 21時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にらもやし | 作成日時：2018年1月3日 13時
