64 "イノセント" ページ36
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"神野区の悪夢"から一月半後。
後に行われた"第三勢力イノセントによる大演説"から、一月後。
世論は荒れていた。
イノセント総裁影住Aの演説は大きな反響と同時に波乱を呼び、その演説はテレビやネットなど、幅広い情報媒体を介して繰り返し世論へ放流された。
神野の悪夢という大事件から半月後、機を窺っていたかのように颯爽と出現したイノセントとその思想に、人々の目は奪われたのだ。
電化量販店に陳列されたテレビに映るニュース番組では、今日もあの日の影住の演説が報道されている。
『──…ヴィランの増加はヒーローの飽和に繋がる。しかし、ヒーローがいくら増えても犯罪が、ヴィランが減少しないのは何故でしょうか。ヒーローの怠慢か？それともヴィランの増強故か？…その答えは一つです』
『皆様のような、社会を形成する世論のヒーローへの依存とヴィランへの不理解。これに尽きる』
『しかし誤解しないで欲しいのです。本来守られる側とはそうなってしまうもので、時にか弱く時に傲慢になることは必然であると、私はそう考えています』
『そこから生まれるのがヴィランへの嫌悪や軽蔑、偏見、恐怖、そして──』
『理解の拒否』
イノセントの出現により生じた荒波の中で、いくつかの派閥が誕生した。
そして派閥は大きく二つに分けられる。
まず、ヒーローの活動に対する賛同と支持を掲げ、ヴィランへの理解を軽視する"ヒーロー派"。
これは既存の社会体制を引き継ぎ、イノセントの行おうとする革命の真似事を批判するものである。
ヒーロー派の中でも過激派と穏健派、さらにはヴィランへの理解を重要視する派閥などにも枝分かれしている。
そして、ヴィランへの理解を深めることで認識を改め、ヒーロー活動及びヒーローの新しいあり方を提唱する"イノセント派"。
イノセント派は、源流であるイノセントの主張をほぼそのまま踏襲する形であるが、最大の特徴はヒーロー派と違い大きく派閥が分かれていないことにあるだろう。
これには、イノセント総裁のある発言が大きく影響していると考えられる。
『現代日本には言論の自由が補償されています。我々は野蛮人ではないのです。言葉こそ、理路整然とした言葉こそが、人であるという証左足り得るのです』
『我々イノセントは、そこに如何なる正義や信条があろうとも、暴力や過激な言動を伴う一切を否定します』
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ディちゃん(プロフ) - その轟君を私にくれ (2022年3月13日 22時) (
レス) @page38 id: 7ad8b1babb (このIDを非表示/違反報告)
じぇへな - このほの暗い?ダーク？感がすごくすきです。これからの展開も楽しみに待ってます (2020年1月2日 17時) (レス) id: 31019885e4 (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - おれんじぜりーさん» コメントありがとうございます。これからの展開も楽しんでいただけると幸いです (2019年11月26日 1時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
おれんじぜりー - 途中から轟が洗脳されてる…いいですね〜笑 (2019年3月10日 14時) (レス) id: 89ff127a12 (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - にあさん» コメントありがとうございます。随分お待たせしてしまいましたが更新しました。よろしくお願いします (2019年2月9日 13時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にらもやし | 作成日時：2017年11月18日 12時
