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轟「……俺、は」
16歳にも満たない少年の精神は、ようやくはっきりと自覚した自らの愚かさを嘆き、激しい自己嫌悪で今にも折れてしまいそうだった。
ゆらゆらと揺れるろうそくの火のように不安定で若く弱い精神。
そんな未熟な心では、父親への憎悪と、母親や姉に対する罪悪感の板挟みに耐えられるはずがなかったのだ。
そう。彼は今まさに、"良心の呵責に苛まれて折れる"寸前なのだった。
『なぁ轟くん、どうか今一度考えてみてくれ』
無邪気な闇がそこに付け込もうと手を、影を伸ばす。
弱りきった轟の耳元で、それは尚も囁く。
『君が壊れてしまう前に、私は…俺は、そこから君をすくい上げたい』
『手遅れになる前に、俺の手をとってくれ』
白く良質な皮の手袋が小さくぎちりと鳴った。
手袋の上からでも分かるくらいに大きく筋張った男の手が、轟の右肩を力無く掴んでいる。
彼が目線だけ右に向けると、少しだけ震える手が視界に入った。
『…俺はね、轟くん。壊れてしまった人を何人も見てきたんだ。あまりに悲惨で凄惨で…そしてあまりに悲痛だった』
轟「………」
『俺はただ、君にそうなって欲しくないだけなんだ』
『絶望するには、早すぎる』
憎悪と良心と出処不明の優しさとの間で、轟のやわい心が大きなひずみを生じた頃。
背後の低い声は、最後に縋るように零すのだ。
『……お願い、折れないで…』
俯き隠れた影住の表情は、彼本人しか知りえない。
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またずいぶんとお久しぶりです
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ディちゃん(プロフ) - その轟君を私にくれ (2022年3月13日 22時) (
レス) @page38 id: 7ad8b1babb (このIDを非表示/違反報告)
じぇへな - このほの暗い?ダーク？感がすごくすきです。これからの展開も楽しみに待ってます (2020年1月2日 17時) (レス) id: 31019885e4 (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - おれんじぜりーさん» コメントありがとうございます。これからの展開も楽しんでいただけると幸いです (2019年11月26日 1時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
おれんじぜりー - 途中から轟が洗脳されてる…いいですね〜笑 (2019年3月10日 14時) (レス) id: 89ff127a12 (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - にあさん» コメントありがとうございます。随分お待たせしてしまいましたが更新しました。よろしくお願いします (2019年2月9日 13時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にらもやし | 作成日時：2017年11月18日 12時
