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出久と爆豪がぶつかり、周囲に爆風と衝撃波を散らす。
一度だけの衝突は、すぐに決着がついた。
出久「いつまでも、雑魚で出来損ないのデク
じゃないぞ！かっちゃん！！」
声高らかにそう告げる出久の目には、地に這いつくばった爆豪の姿がハッキリと映っていた。
爆豪「……」
辛うじて残った意識の端で、出久の言葉を聞いていた。
心の中が燻り、どろりとした言い表し様のない感情がへばりつく。
言いたい事はいろいろあったが、どれも最終的にはどうでも良くなった。
今はただ、"かつてデクだった誰か"に敗北した自分が惨めで堪らなかった。
早くトドメを指してくれ。
いっそ殺してくれ。
彼の望みはそれだけだった。
そして出久もそれを分かっていた。
出久「すぐに楽にしてあげるよ、かっちゃん」
体力の限界に達していた出久には、爆豪のトドメを指すだけの力も残ってはいない。
だから彼は、何も言わずに腰のポケットからそれを取り出した。
拳銃だ。
黒くしとやかなそのボディをそっと撫で、わずかな光をてらてらと反射させる。
オールマイト「少年！！やめろ！！やめてくれ！！！」
響くオールマイトの声が何とも無慈悲に響き渡る。
それが出久に届くことなどないのに、彼は叫び続ける。
オールマイト「少年！！！いけない！！」
出久「ねぇかっちゃん。僕、強くなったでしょ？」
爆豪「……」
掻き消えそうな声で、爆豪へ語りかけた。
爆豪は反応こそ示さないが、まだ生きた赤い瞳がしっかりと出久を捉えている。
爆豪「……」
出久「…そっか」
遠くの方で轟と切島が爆豪を呼んでいる。
それを死柄木と黒霧が相手取り、時間を稼ぐ。
二人が出久を急かす事はなかった。
分かっていたのだ。
彼らのねじ曲がって絡み合った複雑な関係は、彼ら自身でしか解けない事を。
出久「ねぇかっちゃん、君もこっちへ来なよ」
出久「別に助けようってんじゃない。ただ僕は単純に、君なら即戦力になれるって思ったんだ」
出久「それにさ…」
出久の提案に、爆豪は否定的な目を向けた。
出久が言い終わらない内に低い音で唸り、全力でそれを拒否する。
出久「……」
爆豪「……」
出久「分かったよ。残念だ」
彼はまた静かに言った。
後方で闘う音がする。
出久には仲間の怒号が聞こえていた。
はやく加勢しないと。
そう思った出久は、暗い表情で銃口を爆豪へ向けた。
出久「じゃあね。バイバイ」
バンと銃声が鳴り、鮮血が散った。
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あぴょいまる - ヴィラン出久大好きです！ただ影住？の詳細がないためあまり話が入ってこないです (2021年8月23日 15時) (
レス) id: 96009d00a4 (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃん(プロフ) - めっちゃ面白いです。敵デク最近はまってます。 (2019年4月30日 20時) (レス) id: a3062cab5b (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - 黒桜 亜琉麻さん» コメントありがとうございます。少ないといえど多々ある作品から選んでいただけてとても嬉しいです。その期待に添えられるよう全力で更新していきます (2017年8月24日 9時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 闇堕ち大好きです！普段からあの作品がもし闇堕ちだったらなぁーと、考えています！闇堕ちは基本的に少ないので一生懸命探していましたが、この作品を見かけた時から毎回更新の通知が来るのを今か今かとガチの正座をして待っています！更新頑張ってください！ (2017年8月24日 0時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - ジャンプ漫画企画委員会会長さん» コメントありがとうございます。仰る通り闇落ち作品は他に比べ少ないと思います。これから増えることを楽しみにしている次第です。更新頑張ります (2017年8月22日 12時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にらもやし | 作成日時：2017年7月19日 23時
