【○○○】裏切られた私のカウントダウン

あと２８日 ページ6

バスに揺られて数分。

青葉城西前。

体育館からは最早悲鳴とおぼしき女子の声。

そぉっとドアを開ける。

貴方「あの、」

及川「ん？あ！Aちゃん！どうしたのっ？部活はっ？
　 大好きな部活休んで及川さんに会いに来たの？」

そっか。
知らないんだ。

及川さんの、妙に無邪気な笑顔を見たら、
裏切られたって、言い辛くなっちゃった。

貴方「まぁ、そんなとこ、です。」

小さい声で呟く。

と、いきなりかがんで私の顔をのぞき込む及川さん。

及川「いつもと違う。
　 Aちゃん、俺に何か、嘘ついたでしょ？」

う゛っ

貴方「じゃあ言います。
　 裏切られたんです。烏野に。」

平静を装い俯くと、頭に何かが触れる。

国見「ふぅん。王様はなんて？」

いつものやる気０％の声できいてくる。

貴方「別に。なにも」

岩泉「なら、まだどっかでAを信じてるんだろ？」

−−−信じてる−−−

私が今、一番欲しい言葉。

貴方「あれ？どうしたんだろ？
　 目から海水が…
　 あ、止まんない…あれれれ？」

目を必死に擦る。

貴方「うぇ…」

及川「泣いてい〜よ。」


シンプルで、素っ気無くて、その上軽い人が発す言葉。

でも、

こういうときは、

こういう言葉が、

ちょうど良い。

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