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プロローグ ページ1

『おぉ。目が覚めたかぇ』


何者かの声が頭に響いてきた。


「……ここは」


目を開けて見た光景。
棺に横たわり、目を閉じ指を組んでいるもう一人の私の姿だった。

近くに、私の母が泣いているのが見える。


………さっきまで、私は何をしていたか?


書類に埋れ、二日間寝ずに働いていた。


「………あぁ。疲労の溜まりすぎで亡くなったのか」


二日間も寝ていなければ、脳の細胞が死ぬんだろうな。

同期の丸塚が言っていたような気がする。


『疲労の溜まりすぎ?御主、どんな会社で働いておったのじゃ!?』

「どんな会社って………問題とされている、ブラック会社かな?」

精神病になり、会社を辞めていった人も少なくはない。

そんな、世間で問題とされている会社の一つだった。


『御主の人生、不幸じゃのう………』


姿が見えぬ声から、そんな言葉が聞こえた。


「不幸だからなんなんだ?私は私なりに生きていたつもりだ。二十一で死のうが、それまできちんと生き抜けたから悔いは無い」

早く天国か地獄に行かせてくれ、とその声に向かって言った。

声は数秒考えた後、私に何かを手渡した。

何かに使えるカードのようだ。

『御主、気に入ったぞ。主は別の世界で、前世の記憶を持ったまま生きてもらう事にしよう』

声がそう言った時、いつのまにか私は声が手渡したらしいカードを手に持っていた。

さっきのカードと同じ種類のようだ。

「このカードは……?」

だいたい四十枚前後はあるカード。
一番上には、竜に乗った騎士の姿が描かれていた。

『向こうの世界についたらわかる。最後に我の名を教えておこう。よいか、我の名は_____』


_____がそう言った瞬間、私は眩しい光に包まれた。

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作者名:狼牙 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2013年11月18日 0時

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