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漸く彼女の存在を思い出した様子の彼は、照れたように笑って顔を上げた。
「すいません…つい。貴方も犬お好きなんですか?」
優しい笑顔で尋ねる彼を正面から見て彼女は答えた。
「はい、好きです。それにその子…なんだか私と似てる気がして」
彼女は決して、よく喋る”社交的なタイプ”ではない。
が、この時は自然と口が動いていた。
普段であれば見ず知らずの人に自分の事を話すなどありえない。
しかし今は、彼になら話せる気がしていた。
似ている、との言葉を耳にして彼は彼女と子犬をキョロキョロと見比べる。
それを見て彼女はクスッと笑い、
「見た目が、じゃありませんよ?
その子と同じで私…独りなんです」
犬の頭をそっと撫でながら告げる。
そう、彼女に家族は居ない。
生まれて間もなく両親が事故で他界。
親戚も居なかった彼女は児童養護施設で18年間を過ごした。
様々な経緯があり、とある始末屋グループの纏め役として働いており
仲間は居るが
私生活は全くのバラバラで、
仲間達との会話はほとんどが仕事の話。
どうでも良い話や相談をするような相手は、彼女には居なかった。
だからこそ、初対面の彼に聞いて欲しくなったのかもしれない。
__と、隣から柔らかい声が聞こえた。
「…独りやないです。この子も、僕も、居るやないですか」
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茎若布(プロフ) - うさたぬき。さん» わああ、ありがとうございます!励みになります…!少しずつの更新になってしまいますが気長にお付き合いください(*´ ˘ `人) (2017年9月8日 0時) (レス) id: 435905ec86 (このIDを非表示/違反報告)
うさたぬき。 - 凄く続きが気になります!更新待ってます^^ (2017年9月6日 16時) (レス) id: d32628a784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くきわかめ。 | 作成日時:2016年7月21日 21時