【刀剣乱舞】伊達の姫弐 (ページ9)

今日:5 hit、昨日:20 hit、合計:55,422 hit

三十八振り目ページ9

あの後皆から撫で回されたり怒涛の質問で対処しきれず困っていたら長谷部がぶち切れその他色々あったけれど、話を挙げていけばキリがないので割愛。

最初はみっちゃん達に怒られるかと思って覚悟していたのに、それどころか人目もはばからず大泣きされて脱力した。

聞けばみっちゃんは連絡を受けた後すぐさまフル装備で阿津賀志山に１人で乗り込んだらしい。
くりちゃんも鶴丸も後を追いかけようとした所に私を抱えて帰って来たそうだ。

単騎出陣よくない、と言いたいところだが、それを言ったら自分にブーメランな気がしたから言わなかった。

もちろん主には怒られた。
そりゃもうグズグズに泣いて怒られた。
勢いよく私に抱きついたのはいいが、すぐ引き剥がされて今度は主が本丸の保護者組に怒られていた。

で、私は今何故か他の第四部隊のメンバーに引っ付かれている。

『あのー、すみませーん。離れてもらっていいですか？』

「「イヤだ」」

『......』

後ろに不動、左右の腕に後藤くんと包丁くん、前からは信濃くん、伸ばした足元で膝枕しているのが貞。

『まぁ......別にいいけどさ......』

明らかに全員ヘコんでる。
後藤くんにいたってはさっきからずっと私の様子を伺って忙しない。

不動は甘酒を何本も飲んで落ち着いていないし、包丁くんと信濃くんは顔を埋めたままだ。

貞は気にしていない風に装っているが、ふくらはぎに巻かれた包帯を見ては悲しそうな顔をする。

『......私はさ、誰かを守る為に生まれたの。だから、私は私で貴方達を守る事が出来て良かったと思ってるよ』

だからそんな顔をしないで。
そう言うと５人の手に力が入ったような気がした。
やっぱり自分を責めていたんだろう。

私は５人が落ち着くのを、ただただ静かに見守っていた。