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三十六振り目 ページ7

ーーーーーー......


『ん......』


目を覚ませば、見たことのある光景がいっぱいに広がる。
そして微かに香る薬品の匂い。

最後の記憶を辿るに、ここは手入れ部屋だろう。
そう思いつつ身体を起こそうとするが、何故か動かない。

金縛り、とも思ったが首が動かせるからそうではないらしい。
ゆっくり頭を動かすと、そこには短刀の皆が気持ち良さそうに眠っていた。


『......なるほどここが天国か』


はっはっはっ。
神様もいい仕事するじゃないか。
私も神様だけど。

いやはやいい場所だ。
さて、もう一眠り......


「起きてくれ」

『あ痛っ!?』


ゴツン!!と額に派手にブチかますのは誰だちくしょう!!
痛いわ!!

反射的にグーで返すが余裕で受け止められる。
誰かを確認するために顔を上げると、そこには内番服姿の薬研がいた。


『何だ、薬研か』

「何だとは心外だな、姉貴。ついでにこの腕を降ろしちゃくれねぇか」

『あぁ、ごめん』


振りかぶっていた腕を降ろし、薬研に向き直る。
薬研は私を上から下まで見た後、頷いて私に問いかけた。


「傷は痛むか?」

『傷?......そういや痛くないな』

「だろうな、あんだけ動いてりゃ。じゃあ次、姉貴はどれだけ眠ってたと思う?」

『......? 1、2時間、ぐらい?』


その答えを聞いて薬研はため息を吐く。
え、何かマズイことでも言った?


「あー......実はな、姉貴。あんた2日全く起きなかったんだぜ」

『......なん......だと』

「こんのすけが言ってたんだけどな、ほら、姉貴はまだ試験過程の実装だろ?だからまだ改善出来てねぇ所があるらしくてな。

手入れが一番難しいそうで今回みたいに至ったらしい。それ聞いて伊達の4人が発狂しかけてたぞ」

『うわ......』


ヤバい。
これアカンやつやん。
とにかく滅茶苦茶謝んないと。


「んぅ......薬研......うるさい」


ゴソゴソと乱ちゃんが身体を起こす。
寝ぼけ眼で薬研と私を一瞥すると、カッと目を見開いて叫んだ。


「Aねぇ!!」

「あっ、コラ乱!ケガ人に飛びかかるな!!」

『幸せなんでこれでいいです』


その後それを皮切りに目を覚ました短刀くん達にすごい勢いで抱き着かれた。
これが夢じゃないなんて何て贅沢。

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麻友 - みっちゃん好きなので、みっちゃんの絡みを見て萌えています笑笑 更新楽しみにしています! (2017年9月12日 10時) (レス) id: 2d049032f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タナトス@不憫領 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月4日 21時

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