【刀剣乱舞】伊達の姫弐 (ページ1)

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三十一振り目ページ1

ーーーー翌朝。

「皆刀装とお守りは持ったか？何かあったらすぐに帰城するんだぞ」

「大将は心配性だなー」

午前９時。
いよいよ出陣の日。

みっちゃんと歌仙さんお手製の朝餉でお腹を満たし、余裕を持って転送装置の前に集合する。
一人一人に配られた刀装は全て特上のもの。

包丁くんと信濃くんには銃兵、不動と後藤くん、貞には弓兵、私は投石兵と盾兵だ。

初めて付けるはずの刀装は、不思議なほど身体に馴染む。

「そりゃ心配するだろ。いくら俺が指定したとはいえ場所が場所だからな」

私達の出陣先ーーーー阿津賀志山。
実装前に少し聞いた話だと、審神者さん達がレベリングする中でよく指定されるのは阿津賀志山が圧倒的に多いらしい。

本来ならば岩融を部隊に入れるのだが、ここはどうやら違うようだ。

『主、一つよろしいですか』

「ん？なんだい秋光月」

『何故敢えて岩融さんやレベルの高い男士を編成に組まないのです？』

私がそう問うと、主は少し考えたあと静かに言う。

「何も悪気があって組まないんじゃ無い。ただ、強い男士を入れるとそれに甘えてしまうような気がしてな」

『......なるほど』

「いきなりレベル１の君らを阿津賀志山に連れて行くのは審神者として間違っているかもしれない。けれど、最初から勝ってちゃ変な過信が出てくる。

だからこそ、負けを知って、それを糧にして本当の強さにしてほしいんだ」

『主......』

私はかぶりを振ると、言った。

『考えてないようで、ちゃんと考えてるんですね』

「ちょっと待って酷くない！？」

冗談ですよ、と謝ると、他の５人も笑っていた。
主は少し照れくさそうに頬を掻くと、改めて私達を見据える。

「それじゃあ、準備はいいかい？」

『......えぇ、いつでも』

カチッ。
転送装置の電源が入る。

「『いってきます』」

その瞬間、私達の身体はまばゆい光に包まれた。