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「大学生の生活サイクルって全然違う」
「先輩が卒業したらもう終わり」
そんな概念ぐるぐるってまとめて、ゴミ箱に捨てちゃいたい。
私は、先輩は、そんなことしないもん！！
そんな世迷言になんて惑わされないぞ。
でも、
『寂しいもんは寂しいー！！！』
「ちょっ、Aうるさい！」
机に突っ伏してどたばたと足をばたつかせる。ぐるっと首を回して窓の方に顔を向ける。窓から心地よい春の風が入り込んできていて気持ちいい。
同じなのは私のそばには
違うのは、先輩がいないこと。
先日高校三年生になった私と先輩の妹兼私のお友達の志麻子。先輩は一個上だから、大学生になったの。
先輩の卒業式の時にはすでに感じてたよ？これから一緒に登下校もできないし、お昼を一緒に食べたりもできないし、行事を一緒に楽しめないのも。わかってるつもりなんだけど…、
『おんなじ学校にいないの寂しい…。』
「A、それお兄ちゃん本人に言ってあげて。」
『それに、先輩かっこいいからモテちゃう。…！どうしよう、しまこ！美人なお姉さんに先輩とられちゃう！？』
「私の話聞いてる？」
しまこは呆れたような声を零し、はあっと溜息をついた。
先輩の卒業式の時には咲こうと蕾を膨らませた桜はもう散ってピンク色の絨毯を広げていた。青々とした綺麗な空とまた美しいコントラストをなしていて、私に春を思わせた。
先輩は、今頃入学式かなあ…。
「A、お兄ちゃんのところ、行く？」
『！！いいの！？』
「Aの悲しそうな顔、私いやなの！」
『しまこ〜！すきぃぃ！』
「〜〜っ。一緒にカフェでランチしてからね！」
『あ！あの駅前にできたところ？』
「そう！あそこ美味しそうだったもんね！」
なんて、教室中に花が咲いたように、盛り上がる私たち。今から始まる入学式という名の睡眠時間がなんだか心躍る楽しいものに感じられて、嬉しくなった。
先輩に会えるし、しまことカフェだ！
ふふっ、楽しみ。
(しまこ、大丈夫？)
(むり、なんであの子あんなに可愛いの？)
(…ほんとにAのこと大好きだね。)
(当たり前でしょ！？お兄ちゃんよりわたしを選んでほしかったあ！)
(ちょっと、それは色々問題しかないよ？)
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作者名：るはな | 作成日時：2019年6月3日 0時
