七人七色 ... Ⅱ《短編集》 (ページ13)

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注射嫌い (黒) ページ13

今日は早く仕事が終わって、

いつもより早めに家に帰ってこれた。

家に帰ってきたら、頭を抱えとるA。

横『ただいま、どないしたん』

「あ、パパおかえり。ちょっと、」

横『うん？』

「そろそろインフルエンザの季節でしょ？予防接種行こうと想うんやけど……」

そう言ってチラッと春樹を見る。

春樹はミニカーで遊んどって、わりかしご機嫌。

「ほら春樹、注射嫌いやんかぁ…？どうして連れてこうかなって」

横『あー…、去年もやばかっんやろ？』

「うん、病院で大泣き。どうしよう？」

横『んー…。違う目的で外連れ出そか』

「え、例えば？」

横『俺どの道今日飯行きたい思とったから、行くついでに』

「嘘つくってこと？そんなんバレたら…」

横『俺も一緒に診察室入るから。何かあったら俺が説得する』

「パパ…。……うん、分かった」

横『おん、んじゃちょっと着替えてくるわ』

.

.

.

「春樹」

『なにー、ママ』

「パパ今日早く帰ってきたから、外でご飯食べよって。行こ？」

『行く！パパは？』

「パパ今部屋。おかえりなさいして来たら？」

『うん！

パパー！』

そう言って寝室に走ってく春樹。

まさか病院に連れてかれるなんて、微塵も思ってない感じなのが、

見てて辛いけど…。

でもインフルエンザになるよりはマシかな。

.

.

化粧直しをしてると、
春樹を抱っこしてパパが出て来た。

ちょっと前までは落としたら怖いから、って

抱っこ出来なかったのに。笑

ちゃんと注射が受けれますように…。

注射が嫌いってほんま誰に似たんやか。