終わりを ページ36
それからお互い無言で帰って来た。
とても買い物なんて気分じゃなくなったから。
「章大…」
安『うん？』
リビングでくつろぐ彼に、
夜ご飯を作る為にキッチンから声をかけた。
「夜ご飯、なにか食べたいものある」
安『んー、じゃあポテトサラダ』
それはほんとの貴方が好きなもの？
なんて、意地悪な質問を呑み込んだ。
「分かった」
安『ありがとう(ﾆｺ』
そんな苦しそうに笑うなら、
笑わなかったらいいのに。
弱い自分、見せてくれたって良いのに。
でも私達は所詮赤の他人。
.
.
.
安『美味しい！ほんまA料理上手やな』
「そんなことないよ」
安『Aは独り暮らし長いん？』
「んー、2年くらいかな」
安『2年かー、そっかそっか』
「章大、1つ聞いてもいい？」
安『うん。』
「元の体には…、いつ帰るの？」
安『……終わらせようと思っとる』
「終わらせる？それってどういう…？」
安『そのまんまの意味や。このまま人生終わらせる』
.
.
.
「え……」
安『猫になってから、色んなもん見てきた。人間の汚い部分とか。なんかもう疲れてん笑
それに、それも運命かなって』
そう言ってふわっと笑う章大。
「でも…っ、戻ったらまだ可能性はあるんでしょ、生きれるっていう」
安『あるで。俺の意思次第やもん。
やから俺は戻らん。ごめんな？色々迷惑かけて』
迷惑じゃない。
私に出来ることなんて限られてるけど、
頼って欲しい。
1人で全部抱え込んで欲しくない。
思うことなんていっぱいある。
でもなんで…
「……」
安『……ごちそうさま、お風呂入ってくるな』
.
.
.
なんでそれを言葉に出来ないの…？
.
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いちごミルク(プロフ) - ありがとうございます！！そう言って頂けて嬉しいです！現実では絶対あり得ないことなんですけど、たまにはそんな話もいいかな…と。これからも頑張ります！ (2017年10月23日 8時) (
レス) id: 6d7d7a26af (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - この作品大好きです！！猫が人間になる話とか、非現実的なのが好みなので、いつも更新楽しみにしています！頑張ってください！！ (2017年10月23日 0時) (レス) id: c5c735efa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごミルク
x他1人 | 作成日時：2017年10月13日 23時
