飴 ページ23
『横山、先週はちゃんと来れとったやんか』
「先週は奇跡です」
.
月曜日、私はいつものように遅刻した。
教室に入って、グラウンドを見ると
いつもなら錦戸先輩と走ってる安田先輩がいなかった。
あれ？
グラウンドの端を見ると、
制服を着たままの先輩。
.
朝、ポケットに入れた物を握りしめ
1時間目が終わってすぐ下駄箱に行った。
でも、もう皆教室に帰ったあとみたいで…。
諦めて帰ろうとすると、
.
安『あれ？Aちゃんどうしたん？』
外から先輩が入ってきた。
「あっ、えっと…。今日は見学ですか？」
安『あー、うん笑 ぼーっとしとったら体操服忘れて』
「なるほど…、良かった、」
安『え？』
.
良かった？私なに言って……。
「昨日！」
安『昨日？』
「帰り…、元気なさそうやったから……」
安『……あー笑 そんなことないよ、大丈夫。
それじゃ俺帰る…』
ｷﾞｭｯ
.
歩きだそうとした先輩の袖を、
気づいたら握ってた。
安『？ どうした？笑』
「えっ、あ、これ……」
ポケットから飴を出した。
安『いちごミルク味。』
「苺……。私、先輩のだって知らずに食べちゃって。苺は持ってこれないので……」
.
.
安『………ありがとう(ﾆｺｯ』
ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ
私の頭を撫で、そう笑う先輩の笑顔は
今までに見た表情のどれよりも柔らかくて。
「あ、それじゃあ！」
安『え？あっ、Aちゃん！』
.
先輩の顔がまともに見れなくなって、
逃げるように走り去った。
…………お兄ちゃんがあんなこと言うから、。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 872人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちごミルク(プロフ) - コメントありがとうございます！すごく嬉しいです、望さんの作品読ませて貰っていたので…。まさかそんなこと言って頂けるなんて……。ありがとうございます、これからも頑張ります！ (2017年5月5日 15時) (
レス) id: 6d7d7a26af (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - とても面白いです！前からずっと応援してきましたが、安田君が大好きなのでコメントしちゃいました…これからも更新がんばってください！応援しています (2017年5月5日 12時) (レス) id: f056f480ed (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク(プロフ) - 天音鈴さん» コメントありがとうございますっ。 貴重な意見が聞けて嬉しいです！作品化出来るように頑張ります！ (2017年4月29日 19時) (レス) id: 6d7d7a26af (このIDを非表示/違反報告)
天音鈴(プロフ) - 初コメントです！更新楽しみにしてます！エイトの吸血鬼もの読みたいです〜♪ (2017年4月28日 21時) (レス) id: de768c7611 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちごミルク
x他1人 | 作成日時：2017年4月22日 20時
