青銅の迷い犬弐 (ページ3)

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肆拾玖たえまなく過去へ押し戻されながらページ3

例の三人を応接間に通すために扉の前で待つ
客人を案内するのは基本は事務員の方の仕事なのだが、相手が相手のため危ないということとなりじゃんけんで負けた私が行うこととなった

フ｢おや、君は探偵社の人かい？｣

団長なのであろう男が話しかける

｢ええ、社長がお待ちです。どうぞこちらへ｣

そう言って案内していると例の団長さんが驚いたように

フ｢おや、君はこの前の探偵じゃないか。姿や声色、雰囲気までも変わっていて気が付かなかった｣

と言う
とは言われたものの私にはまるで会った覚えがないのでこの前というのも分からない

フ｢分からないならいいんだ。ここか？｣
｢っはい。｣

いつの間にか到着していたのだろう、扉を開ける
社長は既に待機している

｢此方へどうぞ｣

とソファに座るよう促す
予想通り金髪の方が上だったらしく彼が座り他のふたりは取り囲むように立っていた

フ｢会えてとてもとても嬉しいよ。プレジデント･フクナ…フクダ…｣
福｢福沢｣
フ｢それだ｣

と噛み合っているのか噛み合っていないのかよく分からない会話が続く
ヘリポートがないからといって道路に停めたというのには少し驚いた

トントンとドアを叩く音がして開けるとナオミちゃんがお茶を持って立っていた
そのお茶を差し出すと団長さんは興味深そうにそれを見る

フ｢ほう、珍しいデザインだ。陶磁器には詳しいつもりだったが、どこのブランドかな？ロイヤル･フラン？あるいはエル･ゼルガか｣

とナオミちゃんに尋ねるが

ナ｢隣の下村陶器店です｣

とつっけんどんに返されていた

敦君に懸賞金をかけた相手としてどんな悪党かと思っていたが今のところただの空回りしている人だ
決してそのような人物では無いというのは分かっているが、気を張っていたためか少し方の力が抜けた