青銅の迷い犬弐 (ページ17)

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陸拾参 Q ページ17

｢春野さん、ナオミちゃん！｣
ナ｢Aちゃん！｣

例の電車に無事2人とも乗り込むことができ車内で合流することが出来た

ナ｢その時の兄様がとってもかっこよくて…！｣

と言うナオミちゃんに相槌をうちながら歩いていると後ろを歩く春野さんが急によろける
どうやら人ーー
十歳と少し位であろうと予想できる子供とぶつかってしまったらしい

春｢ごめんなさい！｣
Q｢ごめんなさい…？こちらこそご免なさい。お怪我は？｣

そうその子供は礼儀正しく尋ねる

Q｢お姉さん達は何処で降りるの？｣
｢私達は次の駅で降りるよ｣

そう言うとその子は嬉しそうに目を光らせる

Q｢そうなんだ！僕もだよ！ねえ、一緒に居てもいいですか？｣

その言葉にナオミちゃん達は快く了承する
私も子供相手に強くでる必要も無いだろうと思ったものの、ほんの少し彼から見えた闇の光をどうも忘れることは出来なかった

ーー
三人が話しているのを聞き流し椅子に座っていることはや数分
電車はどうやら駅に着いたようだ

敦｢春野さん、ナオミちゃん、Aちゃん！ご無事でしたか！｣

電車から降りると敦君が駆け寄ってくる
無事此方も合流することが出来た。
其れに少しだけ安心する
戦闘向きとは言い難い私の能力なので、少々不安であったのだ

ナ｢真逆事務員がねらわれるなんて｣
敦｢安心して下さい、僕達が避難地点まで護衛しますから｣

その様子を横目に私は車内に居る例の少年を見ていた
敦君を見つけた時に少しだけ微笑んだ顔の不気味さに、寒気を覚えた