拾壱 ヨコハマギャングスタアパラダヰス ページ12
「紹介が遅れました、私は小林Aです。年は18。探偵社では名探偵である先生の見習い(自称)をしています。どうぞよろしくお願いします!」
そういい中島君に手を差し出す。
「あ…よろしくお願いします。18歳ということは僕と同じですね。」
おずおずと握手をする中島君はそういう。
「あ、本当?年上かと思っていたよ。じゃあ敬語も使わないし下の名前で呼ぶだろうけど大丈夫?」
中「え?ああ、大丈夫です!よろしくお願いします、A…ちゃん?」
にこりと笑う彼は本当に巷を騒がせていたあの虎なのかと疑問に思うほど純情そうである。
先ほどの試験を見てわかる通り根っからの善人なのであろう。
そんなことを思っていると谷崎君がおずおずと言う。
谷「あのぅ…Aちゃん?僕も確か同い年だったはずなんだけどなんでいまだに苗字?」
「潤一郎って長いじゃないか。ナオミちゃんや賢治君、敦君は短くて呼びやすいからいいんだけどねえ…」
そう告げると明らかにしょげる谷崎君。その隣のナオミちゃんは少し得意げだ。
ほんの少し罪悪感が生まれ
「…わかったよ、潤一郎君ね。」
と言った。我ながら自分のこういうところはちょろいと思う。
中「そういえば…」
「ん?」
中「先ほどの試験でも言っていた先生っていったい誰の事なの?」
敦君はそう聞いた。
潤一郎君、ナオミちゃん。国木田さんに太宰さんもが敦君のその言葉を止めようとしたが生憎私は聞いてしまっている。
ふふんと鼻を鳴らし得意げに話す。
「よくぞ聞いてくれたね、敦君。ちょっと時間とるけどいい?いいよね?先生というのはこの世界で一番の名探偵、江戸川乱歩先生のことだ。先生はね、とても優れた頭脳の持ち主で事件を一目見ただけで真実、さらには現場の状況や人物関係までもわかってしまう素晴らしい人なのだよ。まずは私が初めて先生に会った時のことから話そうか。あれは確か…
中「あ、もう大丈夫です…」
なんでよ。」
中「いや、もうおなかいっぱいです。」
そういう敦君の顔には疲労の色が見えた。なんで疲れているんだろう。
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作者名:コンバスのマリネ | 作成日時:2021年4月7日 23時