憧れの人だったのに…… (ページ29)

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憧れ28 ページ29

しゅん先輩ととんちゃんが部屋が出て暫く経ったとき

荒牧「Aはさ、俊也くんととんちゃんどっちが好きなの」

貴「へぇっ⁉」

まっきーの突然の質問に飲んでいたお酒を吹いてしまった

佐々木「Aちゃん大丈夫⁉」

隣にいたひでくんがおしぼりを渡してくれた

……汚いって大爆笑してるまっきーとは大違いだ

北園「で？どっちが好きなの？」

貴「ちょ、ちょっと待ってください‼なんでそうなるんですか⁉」

私にはよくわからなかった

てかそもそも好きって……

黒羽「ずっと聞きたかったんだよね。A、俊也くんかとんちゃんと接する時とオレたちと接す
る時の態度違うしー」

貴「本当ですか⁉」

……そんなこと意識したことないからわかんなかったな

もし、そうだったら物凄い失礼なことしてる

鈴木「たぶん、それはAちゃんの無意識だと思うよ。それに、違うと言ってもあんまり大差ないし」

そう言って笑ってくれた

貴「好き……ですか。あんまり考えた事ないです。ていうか、好きっていまいちよくわからないんですよね(苦笑」

私は正直に打ち明ける

健人「それはlikeとloveの違いがよくわからないってこと？」

貴「はい……。私はしゅん先輩のことが好きです。それと同時にとんちゃんのことも好きです。言うなればみなさんのことも好きですし……」

昔から"好き"の区別がつけられなかった

全部同じように思えて…

和田「じゃあさ…。俊也くんはどんな好きで、とんちゃんはどんな好きなの？」

貴「……しゅん先輩の好きはほわほわした好きで、とんちゃんの好きはズキズキした好きです」

黒羽「僕らの好きは？」

貴「みなさんの好きは……しゅん先輩のほわほわに似ています…。でも同じじゃないんです…」

佐々木「なるほどね…」

荒牧「答え出てるじゃん」

貴「えっ⁉」

私が驚きで素っ頓狂な声を上げる

でもみなさんは納得してるようでうんうんと頷いていた

…わかんない

鈴木「答えは自分で見つけるものだよ？」

まだわかっていなかった私にそう言って、頭をポンポンくれた