憧れの人だったのに…… (ページ19)

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憧れ18 ページ19

「ねぇ。この子嫌がってるんだけど」

貴「と、とんちゃん⁉」

男から引きはがしてくれたのはとんちゃんだった

とんちゃんは怒ったように男を睨む

　「な、なんだよお前‼お前には関係ねぇーだろ‼」

とんちゃんの剣幕と背の高さにビビったのか、男はしどろもどろになる

東「関係？あるに決まってるだろ」

貴「うわっ」

とんちゃんは私の肩を自分の方に引き寄せた

てかうわってなんだようわって……

もうちょっと色気のある声出なかったのか私よ……

……デジャヴ

そう考えていたけどとんちゃんが発した言葉を聞いてそんなこと吹っ飛んだ

東「オレの彼女だけど」

か、かのじょ……⁉

私は勢いよくとんちゃんを見上げるが、とんちゃんはそんなことお構いなしに続けた

東「オレの彼女だから汚い手で触らないで」

え……

いつから…

……えっ⁉

もう私の頭の中はパニック

　「チッ。男いんのかよ。いねーっつうから声かけたのによ」

そう言うなり部屋に戻っていった

…なんていうか

あれだな…

貴「……男って怖いなー」

東「え？」

貴「女作るためなら平気で嘘つく。本性隠して近寄って来て、自分の思い通りにならなかったらすぐ掌返す。怖っ…」

私はあの人が入っていった部屋をボーっと眺める

東「ご、ごめんね……。あんなこと言って…」

さっきまでの剣幕が嘘のようで…

今は叱られた子犬みたいにしょぼーんとしている

貴「どうしてとんちゃんが謝るんですか？助けてくださってありがとうございました‼」

私は深々と頭を下げた

東「たまたま見つけたからさ。えーっと……その…」

とんちゃんは言いにくそうに言葉を濁した後で、ぼそぼそだけど私に聞いてきた

東「言いたくなかったらいいんだけど……。もしかして合コン中だった....？」

貴「あぁ…。実は無理矢理連れてこられて....。ずっとどうやったら帰れるか考えてました」

私がそう言って笑うと

東「じゃあおいでよ‼オレたち、今日OFFの人たちで集まってるんだ‼」

……へっ？