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どれくらい逃げてたやろう
章ちゃんを抱きかかえて必死に、あの部屋から、裕ちんから、捕まらないように逃げてた
鍵のある部屋に入って扉を勢い良くしめた
章ちゃんは、振動で起きてたみたいでソファに腰掛けてる。
安『あのね、丸』
ふいに名前を呼ばれて振り向くとクッションを抱きかかえながらも俺の事をじっと見てる
『渋やんって大人になったよね』
『大人に？』
『うん、前まではね、その場に誰かが居ることを愛してる事を確かめるかのように、僕に
スキンシップとか引っ付いたりしてた。
産まれたばかりの雛みたいで。
けどさ、今は大丈夫なんかな。
独りでも生きていけるんかな
倒れへんかな。って、そんなん思ってんのは僕だけなんやろうけど。
また、一回だけでも、いいから僕の事を頼って欲しいな。
昔と変わらずに渋やんは、僕より1つ、いや
何倍も大人への階段を登ってると思う。
やっぱり僕は子供やねん。皆よりも
まだまだ子供。頑張らな 』
『渋やんはね、好きやねんで
信ちゃんじゃない、章ちゃんが。
信ちゃんもね、僕とおんなじ事したらしい
嘘ついて、力ずくにでも好きな人を奪いたかった。
やから、相手の事を傷つけてたと思う。けど、それ以上に自分自身を傷つけてた
ごめんな、章ちゃん』
ごめんな。って言う自分の声はビックリするほど震えてて、向かい側に座ってる章ちゃんが抱きしめてくれた。
『丸。僕ね、渋やんが好き。
やっぱり、いつまでも好き。
優しい丸も大好き。
可愛いらしい亮も大好き。
本能に忠実な大倉も大好き。
天然な信ちゃんも大好き。
ちょっと、暴れちゃってるけど、
照れ屋で素直に慣れない、世話のかかる
お兄ちゃんも大好き。』
『でも、渋やんは、違う意味で大好きやねん
けどね、付き合おうとは、思わへん
手の届かない存在やもん。
こんな、僕が隣に居て言い訳がない』
人に自分の意見を伝えるのが苦手やのに
言葉を一つ一つ考えて、一生懸命伝えようとしてくれてる。
けど、最後の一言は、喜んでいいのかあかんのか分からんかった
終わり←●
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安田きゅうり - みぃさん» ありがとうございます。スランプ状態でして…少しずつ頑張って行きます！ (2015年7月21日 11時) (
レス) id: 1446644ddb (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - すごく面白いです！続きを楽しみにしています。更新して欲しいです！頑張ってください。 (2015年6月15日 3時) (レス) id: 39a71674bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：安田きゅうり | 作成日時：2015年2月14日 22時
