原案者解説３ ページ42
主人公は7人の男と関係を持ち、それぞれに違う色の事情を持つ。彼女は人に惑わされ、誰かにしがみついて生きていることに慣れていたのかもしれない。刺激を求めて、平穏を求めて、私を自立させてくれる何かを求めて。流されれば流されるまま、その先に大きな岩があることにも気づかず、怪我をしても尚、それさえも心地よいとでも言うようだった。
人と関わり、傷つけ、傷つき、もう嫌だと叫ぶ。裏切り、裏切られ、出会い、別れ、孤独は嫌だと泣く。寂しくて、悲しくて、辛くて、それでもまた人と関わってしまう。そこにまた、平穏があることを、幸せがあることを彼女はきっと初めから知っていたのだ。それが人生だと知っていたのだ。
この物語はここまで狂っていながら、妙に現実感がある。ページごとにこまごまと視点が変わり、それぞれの気持ちが異常なほどにわかってしまう。一体人生を何周すれば、こんなにたくさんの人の心を暴けるのだろうか。20代から30代、世間的には大人でもまだまだ成長をし続ける。未熟な部分は数多にある。すべてのキャラクターに愛を感じるのは、今までもこれからも成長し続けたいと考えるたまご作品らしさのひとつなのかもしれない。
＿＿＿あなたと関わったことで今ある私を、どうやらちゃんと愛しているようです。＿＿＿
主人公が7人に書いた手紙の一節である。自分を愛すということはとても誇れることだ。他人を変えることはなかなかできないけれど、自分を変えることは出来るかもしれない。人と関わり、人を知り、自分を知る。そうして自分のことを愛すことができたら、それは一生ものの自信となる。今、幸せであるということ。自分と関わったあの人がどこかで幸せに生きているということ。それはきっと、また彼らを生かしたことだろう。
どこかで生きていさえいれば、いつかどこかでまた会えるかもしれない。案外人生は奇跡ばかりが起こっている。気が付いていないだけで。
人生は続く。人は成長を続ける。いくつになっても、遅いなんてことはない。間違っても、怪我をしても、惰眠をむさぼってしまっても、それがまた自分を成長させる経験になるのだろう。
彼女の胸に光る黄金の果実は自分の変化に恐れることないという覚悟のようなものを、表しているのかもしれない。
最後に、私の妄想をここまでの大作に仕上げてくれたこと。
実に2年半我々を楽しませてくれたこと。
語り切れない作品のすべてに。
さて、どうやって感謝を伝えようか。
終わり
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しいたけ(プロフ) - 完結おめでとうございます。本当に大好きな作品です。どんな終わりを迎えるのか、終わることの恐さもありましたが、穏やかで温かな気持ちで読み終えまして、この作品に出会えた幸せを噛み締めました。ありがとうございます。お疲れ様でした！ (2020年10月12日 19時) (
レス) id: 6cdb312904 (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 完結おめでとうございます！ずっと最終話を楽しみにしていました！たまごさんの文学のように作り込まれた世界観や表現が大好きです（ ; ; ）また1話から読み直そうと思います。お疲れ様でした！ (2020年9月24日 10時) (レス) id: 31e8afe04b (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 完結おめでとうございます！これほどまでに壮大なスケールの夢小説に出会ったのは初めてでした。いくつもの糸が絡み合ったストーリー、どうやってエンディングを迎えるのか、ずっとドキドキしながら読んでました。今はしばらく余韻に浸っていたい気分です。 (2020年9月24日 1時) (レス) id: 64389dcac8 (このIDを非表示/違反報告)
やなこ。(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2020年9月23日 16時) (レス) id: 779424fc05 (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - たまごさん完結おめでとうございます。嬉しい反面読み進めるワクワクが無くなる寂しさも感じています。何度も何度も読み返したくなる大作だと思いました。これからもたまごさんの書く作品に期待しています。本当にお疲れ様でした。 (2020年9月23日 1時) (レス) id: f635eadff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまご
| 作成日時：2020年6月4日 1時
