陰翳の果実 最終楽章２

あとがき ページ38

二年半かかりました。

2017年の12月からお話を書き始めた私が、最初の３か月で「そして、雪が降る」「波間に揺れる子どもたち」「個人的な事情」という作品を一気に書き終え、

一息ついた頃に、書き始めた作品でした。


お友達の猫彦ちゃん(恐ろしいことに確か当時まだ女子高生)が

「ヒロインが７人全員にいじめられる話誰か書いてくれないかな」(今思うとすごいフリだな)と言ったのを、

軽い気持ちでやってみたいと引き受けたのが最初でした。


せっかく７人が出てくるならちゃんと全員と絡みたいな、

そうなると ある程度作中の年月がかかる話だな、

だったら語りはじめは大学時代からかな、とか


初めてのノンリアル設定だったので自由に設定を考えられることが新鮮で楽しくて、

もらったイメージから一気に構成を考えて、


「近代文学をモチーフにしていったら楽しそうだよね」とかそんなことで猫ちゃんと盛り上がって、

気楽な気持ちで書き始めたのが2017年の3月の終わりくらいだった気がします。


その直後に、大好きな赤さんの退社があって中断をし、

他の作品を挟んでまた再開したところで、今度は赤さんのいなくなった後の自分を支えてくれた黄色さんがいなくなって、

何度ももうだめだ、と思って一時はエイトを降りるとまで宣言して、


でもこの作品が、お話の中に生きる彼らが、宙ぶらりんのままになってしまっていることが、ずっと引っかかっていました。



きっとこの二年半の間、当初このお話を読んでくださっていた多くの方がいなくなってしまったと思います。

こんなに時間がかかってしまったこと、ひたすらに申し訳ないです。


もう書いたところで誰も読んではくださらないのではないか、

完結させたいというのもただ私の意地に過ぎないのではないかと何度も心折れそうになりましたが、


いつも感想を伝えてくれたお友達や、

Twitterやコメント欄でこの作品を待っているとおっしゃってくださった皆さんのおかげで

その度にまた立ち上がることができました。


ただでさえ異質な作品、

ここまで読んでくださった全ての皆様には感謝しかありません。


本当にありがとうございます。


生きていて苦しかったり出口が見えなかったり、平和だったり退屈だったり、

その中の一瞬でも、もしも自分の作品が読んでくださる皆様の人生に寄り添う瞬間があったのだとしたら、これ以上幸せなことはありません。

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