空と大地【紫】 ページ19
「信ちゃーん」
「ねえ、信ちゃんてばー」
「信五ーーー！」
「るっさいな聞こえてるわ！」
「なら返事してよ、ねえ、この組み合わせどうかな」
「おー、似合うとるんやないの」
「…こっち見て言わないと意味ないって知ってる？」
「ははは、見んでもわかるわ、白のシャツにこないだ買うたゆうスカートやろ」
「…なんでわかるの」
「んー？ お前のことはなんでもわかるからなあ、ははは」
足元にいたソラが主に追従するように、小さくにゃあと鳴いた。
１年後ーー…
夕暮れ、姿見の前で延々ファッションショーを繰り広げていた私と
ジョギング帰りに持ってきた郵便物をダイニングで整理していた彼は
「お前ん宛の手紙こっち置いとくで」
「あ…うん、ありがと」
「なんや、どないした？」
「…ううん」
猫と三人、一緒に暮らすようになって半年
彼の背中から腕を回し私はぎゅっと抱きつく
大地のような匂いを吸い込む
服越しに感じる筋肉
そのなだらかな丘に頬をあてるだけで
私の鼓動はたちまち落ち着いていくーー…
「なんか嫌なことでもあったか」
「ううん、むしろさっきお取り寄せしてたお肉届いてテンション上がったとこ」
「お、ええやん、今日は肉祭りやな」
なんでもない会話をしながら、彼は前に回した私の腕をゆっくりと撫でる
…好きだった
時々、どうしようもなく震え上がるくらいに
この人の、この健やかな身体が
私のすべてを理解し、どんな時でも揺るがないこの心が
…この世のあらゆる難題の答えが
すべてここにあるような気さえしていた
「んー…あんまくっつかれるとアレやなあ」
「え…？」
「…よし、飯食う前にしとこか」
「えーー…」
回した腕を掴まれ
彼は遠心力さえも味方につけて私をぐるんと回す
ソラがそれに驚き近くの床を蹴る音がする
ダイニングテーブルの上に座らせられた私の腰の横に前のめりに両手をついて
「んっ…、」
下から、掬い上げるように顎を寄せ
私にキスをするーー…
「…信ちゃん」
「ん…？」
「…好き」
「はは、知っとるわ」
そのまま彼の唇は私の耳を、顎を滑り下っていく…
「…あかん」
シャツの釦を上から外そうとした私の指を抑え
「俺が脱がす」
私は行き場を失った手で硬い髪を抱える
「ん…、あっ、」
身体を捩るとくしゃりとお尻の下で
彼が仕分けてくれた郵便物が音を立てて歪んだーー…
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たまご(プロフ) - okmrernさん» あ、なんか途中で送信しちゃったごめんなさい…！引き続きよろしくお願いします！ (2020年6月2日 17時) (
レス) id: 8c4f156e76 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - okmrernさん» okmrernさま、お久しぶりですありがとうございます！ここまでされても私はこの村上信五とつきあいたい (2020年6月2日 17時) (レス) id: 8c4f156e76 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさま、お久しぶりですありがとうございます！ラスボスは一番そばにいるということでひとつ…！ (2020年6月2日 17時) (レス) id: 8c4f156e76 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - ぐふ。さん» ぐふ。さま、初めてのコメントうれしいですー！！信五最強説です…！そしてビリヤード！素敵ですねそれ…ただ友達がいる設定にしてしまったなあの店員さん…… (2020年6月2日 17時) (レス) id: 8c4f156e76 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - ゆき姉さん» ゆきえさん！コメントありがとうございます嬉しい！ほんとしんどい話でごめんなさいね…いつもありがとうございます！ (2020年6月2日 17時) (レス) id: 8c4f156e76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまご
| 作成日時：2019年8月18日 23時
