タナカくんの休日【Side Mgr】 ページ12
やっぱこういう時って、牛乳とあんぱんなのかなあ…。
僕はコンビニの棚に向かい、そんなことを想う。
でも今は1月も後半で、おととい初雪が降ったばかりで、
路上に止めてある車の中で食べるなら、断然 温かいものがよかった。
「お弁当温めますか?」
「お願いします…あ、お箸もいただけますか?」
結局 生姜焼き弁当とシュークリームと水と、レジ横で自分で淹れるタイプのホットコーヒー買って、僕は車へ戻る。
その日、僕は久しぶりの完全オフでーー…
昼すぎまで目覚ましをかけずに久々に眠って、溜まっていたテレビ番組の録画を消化しながら、洗濯や掃除をして。
早い時間から大学時代の友達と飲みにでもいこうかなと思ったけど、思いっきり平日だったから、真っ当な(僕の仕事だって真っ当だ)会社員の友人たちからは つれない返事ばかりで。
僕はソファに腕を組んで座り、さてこの貴重な休みをどうやって有意義に過ごそうか、真剣に考えていた、
ーーはず、なのに。
…錦戸さんも、今日完全オフ、なんだよな。
なに、してんのかな…。
僕はまるで彼に片想いをする身の程知らずな女の子みたいに、ふとそんなことを思ってしまい
……
「あ、もしもしお世話になっております、タナカです…何度もすみません、Aさんにお送りしたいものがあるんですが…ご住所お教えいただくことってできますか?」
僕はまた……嘘、をついた。
何、やってんだろ…
でも僕は…
それでも僕はまだ、どこかで彼を信じたくて。
日が暮れた頃 自ら貴重なオフを台無しにして…結局 車を走らせる。
…そのマンションは、ずいぶんと奥まった場所にあった。
入り口が見渡せて、向こうからは死角になる場所に一旦 駐車し、僕は歩いて周辺を散策する。
ーーー…あった…。
コインパーキングに停められた、見慣れた車…。
僕は静かにため息をつき、精算機に駐車位置番号を入力し、金額を確認する。
昨日の、夜からいるのかーー…
そのままお金は入れずに、僕は自分の車へ戻る。
彼の帰りを、見届けるために。
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たまご(プロフ) - あくあさん» あくあ様、お返事遅くなりごめんなさい…!さすが勘がいいですね…黒さんの過去は次の作品への布石です…が、いまこのお話で疲れ果てているのでいつになるかわかりませんw ゆるやかにお待ちください。゚(゚´ω`゚)゚。 (2018年2月26日 22時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
あくあ - 読ませてもらってます☆黄色さんの今後が気になりますが、黒さんの過去に興味津々です!笑 (2018年2月24日 4時) (レス) id: 4e4eb3dcc1 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - まなみさん» まなみ様、コメントどうもありがとうございます!楽しんでいただけてるとのこと、とてもうれしいです…!やたら不器用な二人なりの未来、引き続き見守っていただけると有難いです。よろしくお願いします^ ^ (2018年2月23日 16時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - つぐさん» つぐみ様、ご丁寧にコメントありがとうございます、うれしいです…!もうそろそろ終わりが近づいて参りしたが、どうか最後まで楽しんで頂けますように…!引き続きよろしくお願いします^ ^ (2018年2月23日 16時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - 毎日更新を楽しみにしています!感情と情景が目に浮かびますし、心苦しくもなります。これからよ応援しています、楽しみにしています! (2018年2月23日 15時) (レス) id: 06c59bd95a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまご | 作成日時:2018年2月16日 14時