最後のお節介【Side黄】 ページ26
お節介は、これで最後や。
俺はひとり、またあの店へ行く。
昨日、章ちゃんの様子が明らかにおかしくて。
あんな…
いつも人に気ぃ遣って笑顔振りまいとる章ちゃんが、あんな真っ青の顔しとるの…
初めて見たから。
マルからTwitterのことも聞いて、たぶん…章ちゃんは行けないんやろうから。
俺が勝手に、かわりに行く。
ーーーと思って店の階段を登ろうとしたら。
あの子が私服のまま、階段を降りてきた。
「……錦戸さん？」
「…帰り？ まだ開店したばっかとちゃうの？ ちょっと話あんねん、付き合ってくれへん？」
「…ちょっと、ここ、誰が来るかわからないんで…」
彼女は慌てた様子で少し考え、俺に謎の住所を告げる。
「…なんそれ、どこ？」
「…ごめんなさい、この辺ゆっくり話せる場所ないんで…うちの住所です」
「はあ？」
「一緒に歩くとご迷惑になるかもしれないんで、私 先帰ってます、ちょっと遅れてきてください！」
……うそやろお？
超展開。
さすがに気にし過ぎやろとも思ったけど…まあ、なんか…いろいろあったんやろな。
俺はスマホに住所打ち込んで、地図を頼りに歩く。
遠っ…。
タクればよかったわ…。
まあ…そしたらあの子、追い抜いちゃうか。
そして、ようやく辿り着いた場所は。
……ボロッボロの、アパートやった。
こんなとこ入ってくの誰かに見られたほうが、やばい気もするけど。
まさか誰もこんなとこに俺が出入りするとは思わんやろうから、ええか…。
俺はガチャッと勝手にドア開けて、一応「お邪魔しまーす」とだけ声かけて、部屋へ上がり込む。
玄関 直、部屋。
なんかこの感じ、懐かしい、な…。
昔の…若い頃の、友達んち、みたいや…。
「すみません、ご足労おかけして」
「ほんまやで、ちょっと話すだけのつもりやったのに」
俺は遠慮なく、狭くてボロい部屋、眺め回す。
「…章ちゃんも、よく来るん？ ここ」
「…来たこと、ないです」
「ええ…」
やめてよそういうの…バレたら最悪に気まずいやん…
「…恥ずかしくて。こんなとこ住んでるのがバレたら、引くかなって」
「引きはせんと思うけど…まあ、なかなか最近はないかもな、こういうとこ来る機会」
「……それでも、私にとってここは…精一杯の、お城だったんです」
彼女はそう言って、力なく笑った。
大人たちの別れ【Side青】→←車窓から探す面影【Side青】
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たまご(プロフ) - あくあさん» あくあ様、本当に、コメントいただけるととてもうれしいんです…一人で不安になりながら書いているので。。。なので是非これからも、お気軽に、「お腹減った」とかでもいいので笑。よろしくお願いします！ (2018年2月4日 23時) (
レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
あくあ - 嬉しいお言葉!!お話を読んだ後の心に響き残る感動をどうしてもお伝えしたくなって、コメントしてます。いつもお返事を頂けるのでコメントしすぎでご迷惑かな？とも思っていました(((^^;)これからも応援させてくださいね☆ (2018年2月4日 10時) (レス) id: 4e4eb3dcc1 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - ペンギンさん» ペンギン様、いつも本当にありがとうございます！ その後のふたり…というか四人、番外編に書きましたので、ちょっと覗いてもらえるとうれしいです。迷ってばかりですが、今後ともどうぞよろしくお願いします…！ (2018年2月4日 2時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - あくあさん» あくあ様、本当にいつも…頭があがりません、どうもありがとうございます。あくあさんからのコメントがなかったら心折れてたかもしれません笑。今後とも何卒よろしくお願いいます！ (2018年2月4日 2時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - もチちゃん . 。さん» もチちゃんさま、コメント本当にありがとうございます！ 前作からのつながりが多かったので、初めてお読みいただいて、大丈夫だったでしょうか…今後とも仲良くしてくださるとうれしいです。よろしくお願いします！ (2018年2月4日 2時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまご
| 作成日時：2018年1月27日 14時
