受け取った荷物【Side青】 ページ18
秋も深まった頃。
僕は久しぶりにぷらりと、近所の行きつけのバーに顔を出す。
この店は場所柄ギョーカイの人も多くて、店員さんもみんな口がかたいから重宝しとる。
店長さんは僕より何個か年上の、髪の毛ドレッドにしたファンキーなイケメンで、お互い敬語とタメ口まぜまぜで話せる、ええ感じの仲やし。
今日もカウンターでだらだら喋っとったら、店長が「あ、そーいえば、これ預かってますよ」となんや荷物を渡してくれた。
なんやろ、わざわざこの店に預けるなんて…？
不思議に思いながらそれを開けると、
キレーにシミの落ちた、あのジャケットやった。
すっかり存在を忘れとったけど、やっぱかっこええやん。
ほーか、ミニAちゃんが届けてくれたんや…。
悪いことしたな…。
「あの子ってショータ君の新しい彼女とか？」
「んなわけないやん！ …んー、なんやろ、親戚の子みたいなもんかなあ…」
「へー、かわいいのに…ねえ、うちでバイトしないかなー、こないだ若い子ひとり辞めちゃってさあ」
「いやー 酒の名前もわからんし…無理なんとちゃいます？」
…冗談やろ。
こないだまでコーコーセーやった子に、こんなとこのバイト勤まるわけないやん。
「あーゆー清楚っぽい子のほうがお客さん受けいいからさー、機会あったら聞いといて」
そう言う店長の言葉テキトーに流して、僕は調子よくいつものように酔っぱらっとった。
でも、その数日後。
僕は一言お礼を言おうと、例のジャケットを着て あのクリーニング屋に顔を出した。
久しぶりに会ったミニAちゃんは、顔を真っ赤にしてそのジャケットを着る僕を「かっこいい」と褒めてくれた。
「せっかくかっこいいジャケットなのに、もったいないと思って」
……僕、少し前 かなこさんちで「服なんて腐るほどあるし」なんて考えとったなあ…。
初心忘れるべからず、なんて、いつも思っているけれど。
いつの間に、こんなことが当たり前になってもうたんやろ…。
なんや、大事に少しの服を着回しているであろう目の前の子に申し訳ないわ。
……
「…ミニAちゃんさ、ここの時給ってなんぼ？」
僕は奥におるおばちゃんたちに聞こえないように耳元で囁く。
「…？、960円…ですけど…」
そして僕はすぐに店長に電話して、店の時給を聞く。
「…1500円でどう、やて」
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たまご(プロフ) - まれなさん» まれなさま、コメントありがとうございます！まだ書き始めて3.4ヶ月しか経っていない新米作者ですが、楽しんでいただけているならよかったです…！今後とも何卒よろしくお願いします^ ^ (2018年4月8日 23時) (
レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
まれな(プロフ) - いつもたまごさんのお話楽しみにして読んでます♪ 普通とは違う感じでまるで本当の小説を読んでるような感じがして本当にはまってます！！これからも期待してます！！ (2018年4月8日 22時) (レス) id: 77816b1cc4 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - たむこさん» たむこ様、コメントに気づかずレス遅れて本当にごめんなさい！！失礼しました！ 励ましていただいてうれしいです…なかなかうまく書けないですが見習ってがんばります！ 引き続きよろしくお願いします^ ^ (2018年1月27日 11時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
たむこ(プロフ) - たまごさん» 先輩作者だなんてとんでもないです(T_T)まだ稚拙な文しかかけない新参者ですので...！これからもご無理のないようにたまごさんのペースで書いてくださいね(^^) (2018年1月22日 16時) (レス) id: 5f35bba986 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - たむこさん» たむこ様、うう、有り難いコメント本当にうれしいです。前作は処女作らしく勢いで書けたんですが、今回難しくて悩みながら書いてます…たむこさんのように先輩作者さんたちの偉大さを思い知っております。。。今後ともよろしくお願いします！ (2018年1月21日 22時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまご
| 作成日時：2018年1月16日 14時
