初めての夜【赤】 ページ8
彼の手が、私の右頬に触れる。
街灯が反射した雪明かりだけが差し込む部屋で、
私たちは布団の上に向かい合って座り、初めてのようなキスをする。
唇が離れ そっと目を開けると、じっとこちらを見ているから、
私は照れて少し笑ってしまう。
彼はちょっと拗ねたような顔をして見せてから、
やっぱりはにかんで少し笑う。
そのまま何度も触れるだけのキスをする。
その影が、部屋の奥の襖に映しだされていることに気づいて、
二人で横目でそれを見ながら、唇だけを合わせる。
私たちがキスをすると、影も同時にキスをした。
それから、彼はそっと、舌を差し込む。
私は少し震えながら、それを受け入れる。
ゆっくりと混ざり合い、どちらの舌なのか、その境界を曖昧にさせてゆく。
そのまま彼の右手がまた、私の頬に触れる。
その手は慎重に私の耳を辿り、首すじを撫で、肩まで降りてくる。
左手も加わり、浴衣越しに身体をなぞられ、
私の輪郭を確かめてゆく。
私はたまらない気持ちになって、右手で彼の浴衣の袖を掴む。
彼は唇を離し、
「A」
と呼びかけてくる。
私はそれに安心して、また唇を求める。
絡み合う舌、なぞられる身体。
体温が、上昇してくるのがわかる。
彼の両手が、胸にそっと触れる。
下着を着けていないから、私はすぐに反応してしまう。
手のひらで包み込まれ、親指で刺激される。
唇の隙間から声がこぼれ、それをまた、呑み込まれる。
唇が左の頬をつたい、耳元まで届くと同時に、
浴衣のあわせから手を差し込まれ、脱がされていく。
そのまま後ろに倒され、布団に横たわる。
彼の舌が首すじから鎖骨を通り、次第に下へとおりてゆく。
私は必死に、彼の髪を両手で撫でつづけた。
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たまご(プロフ) - みかんさん» みかんさま、教えてくれてありがとうございます、探して数ページ読んでみましたがちょっと笑ってしまいました…。コメント欄閉じていらっしゃるので確信犯かな。。なんとも言えない気分です笑。 (2020年3月1日 20時) (
レス) id: 8c4f156e76 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - くるみさん» くるみさん今更のお返事でごめんなさい、いつもありがとうございますー！また気が向いたらここも更新できたらいいな…（やるやる詐欺になりつつありますが）今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月1日 20時) (レス) id: 8c4f156e76 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - このお話大好きで繰り返し読ませて頂いてます。。スノのほうで白夜というお話があるのですがとてもこのお話に激似です。。確認してみてください。 (2020年2月28日 13時) (レス) id: 9f4ab94ec1 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - またこの2人に会えて嬉しかったです！会えて、っておかしいか？笑 渋谷さんの不器用な優しさが沁みますね〜。またこんな感じで細々と続く2人をずっとずっと見守っていきたいです。寒い冬に暖かいエピソードありがとうございました！ (2020年1月21日 1時) (レス) id: 64389dcac8 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - あくあさん» あくあさま、雪が降るといえばあくあさん、という感じだったのでコメントうれしいです。そうですね、彼らは何気ない日常のワンシーンを覗き見するみたいな感じで描きたかったので、そう感じてくださったなら本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2020年1月20日 23時) (レス) id: 8c4f156e76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまご
| 作成日時：2018年1月11日 0時
