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さよならのシーン【緑】19 ページ11

…脚本を書くのは、とても楽しかった

末端まで隅々と血が通っていくような


演じる人をイメージして、呼吸を、リズムを想像してセリフを紡いでいくことや

感情を言葉でなく伝えるためのエピソードを見つけること


…全神経がそれだけに集中し

何かをねじ曲げたように、時間が一瞬にして過ぎていく



恋に落ちるシーンの感情を描く時は、ひたすら彼のことを想った


私が、彼を見て感じたこと

彼と過ごしたときのくすぐったさ

彼の選ぶ言葉


彼に触れた時の、あの細胞のざわめきをーー…





「…あ、始まる」


「スタッフロール流れるんエンディング?」


「ううん、オープニング…この次のシーンのあと」



初回のOAは彼と一緒にリビングのテレビの前で体育座りをして観た

彼は横であぐらをかいていて


脚本のクレジットに私の名前を見つけ指を差して一緒に喜んでくれて、きちんとシビアな感想もくれて


その日は二人で、彼が買ってきてくれたシャンパンを開けてお祝いした



ーー…だから



きっと彼もいろんなことを我慢して、堪えて


私の人生を応援しようと、努力してくれてたんだと思う



…だけど



「…どうしたの? 大丈夫?」


「ん…?」


「…なんか疲れてるみたいだから」


「ん…ちょっともう寝るな」



…私の仕事が順調になるほどに

一緒にいても彼は少しずつ、私に甘えなくなった、以前のように安心しきった顔を見せることは少なくなり



…ある日それが、決壊した。

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Aki(プロフ) - 初めまして。たまごさんの作品には芯と真があって、心を抉られながらもその毒性ある棘を触ってしまいます。素敵な物語、されど味わったことのある表現できなかった過去の感情が溢れてきて、気持ちの整理が少々追いつきませんが、素敵な作品をありがとうございます。 (2019年10月24日 1時) (レス) id: 25a44a4956 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - 『さよならのシーン』 うまく言えないけれど、切なさで胸がドキドキして泣きそうでした…素敵なお話ありがとうございました♪ (2019年10月23日 3時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - つい一気読みしてしまいました。切なくて胸がいっぱいになりました。たまごさんの作品はいつも心にスッっと響くものばかりで感動しています。次の作品も楽しみにしています。 (2019年10月23日 1時) (レス) id: cfcb601f80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまご | 作成日時:2019年10月22日 23時

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