彼の表情【青】 ページ9
「なあ、スペイン語のカルロスってなんであんないつも乳 首透けるシャツ着とるんやろな」
「そんなとこばっか見てるからいつも私にノート借りるはめになるんじゃん…」
ーー…あれ以来。
たとえば飲み会で私と忠義がこんな他愛もない会話をしていたとして。
「僕もう眠いから帰るー」
「はあ？ まだ９時やぞ？ 最近ヤス付き合い悪ない？」
「そーだよ、前はしょっちゅう朝まで飲んでたのに…何？ もう老化？」
ヤスくんはこんなふうに…すぐに帰ろうとする。
「…私も最近遅くなると親がうるさいから帰ろうかな」
「A実家やもんなあ、んーじゃあまあ会計するかあ」
私たちは健全な新入生のように、早い時間に立ち上がる。
駅前で「バイバーイ」と、それぞれの路線へと歩き出し。
「あ、私ちょっとコンビニ寄ってから帰るから先 行ってて」
「んー？ 付き合おうか？」
「ううん、大丈夫、ごめんね、また！」
私は同じ路線のミナミちゃんをまいてから、ロータリーの柱の影の暗がりに隠れて待つ人のところへ急ぐ。
「…お待たせ」
「……」
ヤスくんはそのまま私を抱きしめる。
「…ほんま僕、こーゆーの向いてへんわ…」
ぎゅーっ。
…人が居なくなるといつもこの調子で。
「…これはこれで楽しくない？」
「んー…まあみんなが知らんだけでほんまはA僕のやねんぞーて…思わんくもないけど…」
「でしょ？」
営業を終えたドラッグストアのシャッターをくぐり出てきた店員さんが、抱き合う私たちを一瞥して去っていく。
「…でもAが大倉とかとしゃべっとるの見るの、いやや」
「忠義はただの友達だってば」
「うん…わかっとるけど…でもあいつも知らんし」
…まだ、二か月しか経ってないのに。
明るくて優しいだけじゃない、彼の表情をどんどん知っていく。
その毒の甘美さに、背中が、うずいて。
「…ヤスくんだけが知ってる私、いっぱいいるじゃない」
私はそう、彼の耳元で囁く。
「…はよ帰ろ」
そして彼は私の手を引き、徒歩圏内の家まで急ぎ足で歩く。
かつては何度もみんなが泊まったという、大学のそばにあるこの部屋ーー…
「ーー…っ」
ドアを閉めるなり、乱暴にキスをされ。
「…もっと、僕しか知らんA、見せて」
彼の顔が、変わる。
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たまご(プロフ) - zika..さん» zika..様、コメントありがとうございます嬉しいです^ ^ 私もこの黄色さんやたら好きなので多分今後色々活躍してくれると思います…引き続き楽しんで頂けますように！ (2018年4月1日 20時) (
レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
zika..(プロフ) - 初コメ失礼します ！ 錦戸くんの通話時間12秒 、何だかすごく好きでソコだけ何回も読み直してしまいました … 。これからも応援してます 、頑張って下さい ！ (2018年3月31日 19時) (レス) id: dc0484f61f (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - べにさん» べに様、わざわざお返事ありがとうございます！本当にうれしいです…Twitterのほうでも仲良くしていただけるとうれしいです^ ^ (2018年3月31日 16時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - yuuka_madreさん» yuuka_madre様、コメントありがとうございます！お返事遅くなってごめんなさい…！ここからはあまり書いたことのないメンバーがたくさん登場するので、いろいろ不安ですが、引き続きお楽しみいただけるとうれしいです！ (2018年3月31日 16時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - たまごさん» お返事ありがとうございます…！Twitter！すみません！そちらのほうもこっそりと…ストーカーみたいで申し訳ないです苦笑 フォロバしてくださったみたいで(T T)うれしいです、よろしくお願いします(T T) (2018年3月30日 8時) (レス) id: c68c31e30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまご
| 作成日時：2018年3月15日 22時
