舞台上の役者たち【青／橙】２ ページ48
「ーー…ほんまごめんなさいっ…」
ドアベルの音と誰かの声…そして壁に散ったカップの破裂音が聴こえたのはーーーほぼ同時だった。
「ーー…」
「……あれ？ ひょっとして僕…お邪魔やったですかね…」
その人は店の入り口から…カウンター奥で向かい合い立ち尽くす私たちを見て戸惑いながらそう言った
「…あ、ごめんなさい僕さっき財布捜した時そこに鍵置いたままにしてもうたみたいで…」
早口でレジ横を必死に指さしながら近づき何かを急いで回収し
「…ほんま、すぐ帰りますんで！ ごめんなさいねっ…」
そう言い残してまたドアをーー
「ーーーー待って！！」
私は遠ざかる彼に向かい叫ぶ 全身で、なんとか、
こんな大声を出したのは生まれて初めてだった
「―――…っ」
その時ヤスくんの左手が、振り返った彼に身体を向けた私の腕を掴み 右手を広げ顔を…
…私の顔を掴み、
無理矢理、
自分に向かせる。
「ーー…なあ、俺のこと好き？」
……あの人をまるで、存在しないものかのように扱いながら。
開ききった瞳孔、その表情は読めず
鳥肌が、立つ
私は必死に両腕で抵抗を試み
「…ちょっと…嫌がっとるやないですか…」
異常を察したらしき彼は戸惑いながらこちらに近づいてくる
助けてーーー
するとヤスくんが私の顔を引き寄せ耳元で……
……
「ーーええ加減にしたほうが…っ」
その時、ヤスくんは彼に掴まれた腕を私を見つめたまま乱暴に振り払い、
…笑顔の残像を残して店内を駆け出す
ぱきっ
右足がカップの破片を踏んだ瞬間だけ音を立てた。
「……」
店外へ走り去ったヤスくんを見送った瞬間…
私は崩れるようにその場に座り込む
ああ…
“…また来るわ”
ヤスくんの残した言葉が 脳内を回りーーー…
……
「…大丈夫、ですか…？」
床に散らばる破片と茶色い液体
かかり続ける音楽の中 座り込む無様な女
そんな陳腐な舞台上に急に放り込まれた気の毒なその人は…
ゆっくりとしゃがみ、
私に視線の高さを合わせて…
「…もう、大丈夫ですから」
…そう、言った。
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たまご(プロフ) - zika..さん» zika..様、コメントありがとうございます嬉しいです^ ^ 私もこの黄色さんやたら好きなので多分今後色々活躍してくれると思います…引き続き楽しんで頂けますように！ (2018年4月1日 20時) (
レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
zika..(プロフ) - 初コメ失礼します ！ 錦戸くんの通話時間12秒 、何だかすごく好きでソコだけ何回も読み直してしまいました … 。これからも応援してます 、頑張って下さい ！ (2018年3月31日 19時) (レス) id: dc0484f61f (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - べにさん» べに様、わざわざお返事ありがとうございます！本当にうれしいです…Twitterのほうでも仲良くしていただけるとうれしいです^ ^ (2018年3月31日 16時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - yuuka_madreさん» yuuka_madre様、コメントありがとうございます！お返事遅くなってごめんなさい…！ここからはあまり書いたことのないメンバーがたくさん登場するので、いろいろ不安ですが、引き続きお楽しみいただけるとうれしいです！ (2018年3月31日 16時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - たまごさん» お返事ありがとうございます…！Twitter！すみません！そちらのほうもこっそりと…ストーカーみたいで申し訳ないです苦笑 フォロバしてくださったみたいで(T T)うれしいです、よろしくお願いします(T T) (2018年3月30日 8時) (レス) id: c68c31e30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまご
| 作成日時：2018年3月15日 22時
