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村「まぁ、ガサツ言われてもしゃーないな。俺がヨコをこっちに引っ張ってもうたからアカンかってんな。あおい、お前にきちんと話もせんで、ほんまに悪かった。この通り、勘弁してくれ。」
村上先生は申し訳無さそうな顔で深く二人に頭を下げた。
横「ヒナ、」
高「っ、ヒナちゃんっ、そんなっ、」
村「でもなぁ、別れた訳やないやろが。現にヨコもさっき言うてたやろ？合コンなら帰るって。」
村「それが全ての答えやんか。こだわっとらんと、はよ仲直りせぇ。」
俺は謝ったからなー、あとは二人で話しせぇよって、またガハハと笑った。
ガサツなようで、二人が自然に会えるように、そしてなるべく普通に話せるようにするための、さりげなく細やかな気遣い。
そして当人を目の前にして、ここまで素直に、直球に話ができる度胸。
あのそうそうたるメンバーの舵取りをし、進むべき道を示す、村上信五という人の "人間力" を垣間見た気がした。
村「じゃそうゆう訳で。A、行こか。」
高「えっ！？」
横「ちょおっ、ヒナっ、」
村「腸も盲腸もありゃせんやろ。明日にはこいつら帰らなアカンねん。時間ないんじゃ。心配せんでもAはちゃんと送ってくし、あおいはお前が送るやろ。」
村「ここは閉店までとってあるさかい、膝突き合わせてとことん話せや。」
村「ほな行くで、A。」
村上先生は席を立ち、私を促した。
私も促されるままに立ち上がると、不安げな顔をした高島さんと目が合った。
高「……上っ、」
『明日、10時チェックアウトだから。ちゃんと話しておいでね。』
何か言いかけた高島さんの言葉を遮るようにそう伝えると、目に涙を溜めて、
高「…ありがと。」
と、言ってくれた。
私は小さく微笑んで、村上先生に続いて個室を出ようとした時、
横「ヒナっ、上田さんっ、」
横山先生が立ち上がった。
振り返ると、
横「ほんま、ありがとうな。皆にも宜しく言って。」
って、また少し紅く染まった顔で。
少し、瞳が揺れても見えた。
『はい。伝えますね。』
村上先生は背中を向けたまま後ろ手に手を数回大きく振った。
村「これ、あっこの部屋の閉店までの分。お釣りは次俺が来るときの分にしてー」
って、さらっとお会計を済ませてくれて、二人で店を後にした。
『すみません、ご馳走様でしたっ。』
村「いや、あんま食べとらんやろ？俺もまだ腹減っとるし。飲みなおそうや。」
村上先生はまた八重歯をニカッと見せた。
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がくたん(プロフ) - あきさん» 初めまして！コメントありがとうございます！上田さんのナースとしての姿勢、そんな風に言っていただけて嬉しいです。介護士さんの仕事も尊い素敵なお仕事ですよね。頑張ってくださいね！まだ続編で続いておりますので、よかったらそっちも読んでってくださいねー！ (2017年11月20日 6時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - はじめまして！今日この作品に巡り会って読ませていただきました。素敵なお話で夢中に読みました。介護士をしているのですが、上田さんのプロフェッショナルぶりに脱帽です。家族の思い、そこに向き合う姿が素敵で涙がでました。ステキなお話をありがとうございました。 (2017年11月19日 17時) (レス) id: c25913c797 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» そうそう、村上先生ね(笑)。私もつい忘れてまいそうになったので、すばるくんにあの一言を言わせましたとさ。まんま、私の心の声。笑。 (2017年10月3日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» うわー、読破！こちらこそありがとうございました！こんな職場いいなってお声を結構いただけて。最終的には７人プラス上田しゃんのの関係性の良さが表現できたのかな？って嬉しくなりました！何しろ無事に書き終えられて良かったと安堵安堵の思い出でした(笑) (2017年10月3日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - 色々なことが一気に動き出しましたね。それに負けじと一気に読ませてもらいました。ありがとう！楽しかったぁ。仕事も認めあっててOFFはいつまでもバカ騒ぎができて。ホントにいいチームワーク。こういう職場で働きたいな。村上先生が医師だって、一瞬忘れてました笑。 (2017年10月2日 23時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がくたん
| 作成日時：2017年4月8日 7時
