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私達の失笑とは裏腹に、スーパーマンの大ピンチにスパイダーマンの人形をぎゅっと握りしめて、前のめりになっている拓斗くん。
そんな拓斗くんをチラッと見たマルキンマンが、トドメの一撃を与えようとした。
丸「マーミムーメモーっ！これで終わりだ！いけ、ガンルンルーンっ！」
拓「まてーっ、ママをいじめるなっ！」
拓斗くんが立ち上がって、スパイダーマンの人形をマルキンマンにずいっと向けた。
拓「僕もヒーローになるーっ！僕はスパイダーマンやっ！！」
「たくとっ、私やパットマンと一緒に、ママを守るためにヒーローになってくれるんかっ」
拓「おん！僕もいっしょに戦うーっ！」
「じゃあいくでっ！今度は必殺技、手術ビームっ！」
宮「ママを守るぞビーム！」
拓「えいっ、ウェブボールっ！！」
丸「うっ、ウェっ？？」
『蜘蛛の糸の玉っ、敵は絡まってうごけなくなるのっ』ｺｿｯ
丸「うっ、動けへーんっ！！！や、やられたーっ！！！」
マルキンマンは自分の手を絡ませて身体に巻き付け、派手なアクションで見事にやられてくれた。
頬を紅潮させた拓斗くんは、満足げに椅子に座った。
章大さんはまたしゃがんで、拓斗くんの目線に合わせて。
「拓斗くん、やったなぁ？ヒーロー、なれたなぁ？」
と、微笑んだ。
拓斗くんは嬉しそうに、コクリと頷いた。
「これからまだまだママは、ガンルンルンと戦わなアカン。でも、ママは元気になって、また拓斗くんと楽しく毎日おうちで過ごしたいから、頑張るんやんなぁ？」
「やからまだ、拓斗くんもがまんせなあかん事も、さみしい事もたくさんあると思う。」
拓「……。」ｺｸﾘ
「でもな、ママとパパと、おばあちゃんと…、先生達といっしょに、みんなで戦っていこな？」
拓「……うん。」
決意したように唇をきゅっと閉めて、章大さんを真っ直ぐ見て、力強く頷いた。
初めての話の時とは明らかに変わった表情に、一つの段階はクリアできたな、と安堵した。
市村「拓斗…一緒に戦ってくれてありがとうっ。これでママもガンに勝てるかもしれない…。」
市村さんが鼻を赤くして拓斗くんをぎゅっと抱きしめた。
その横で、拓斗くんの頭を撫でながら
夫「パパと一緒に、ママを守っていこうな？」
と、鼻を啜るご主人。
ハンカチで目頭を押さえながら、その光景を見つめるご主人のお母さん。
「…あとは、ご家族で話してもらお。」
私達は、面談室を後にした。
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がくたん(プロフ) - あきさん» 初めまして！コメントありがとうございます！上田さんのナースとしての姿勢、そんな風に言っていただけて嬉しいです。介護士さんの仕事も尊い素敵なお仕事ですよね。頑張ってくださいね！まだ続編で続いておりますので、よかったらそっちも読んでってくださいねー！ (2017年11月20日 6時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - はじめまして！今日この作品に巡り会って読ませていただきました。素敵なお話で夢中に読みました。介護士をしているのですが、上田さんのプロフェッショナルぶりに脱帽です。家族の思い、そこに向き合う姿が素敵で涙がでました。ステキなお話をありがとうございました。 (2017年11月19日 17時) (レス) id: c25913c797 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» そうそう、村上先生ね(笑)。私もつい忘れてまいそうになったので、すばるくんにあの一言を言わせましたとさ。まんま、私の心の声。笑。 (2017年10月3日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» うわー、読破！こちらこそありがとうございました！こんな職場いいなってお声を結構いただけて。最終的には７人プラス上田しゃんのの関係性の良さが表現できたのかな？って嬉しくなりました！何しろ無事に書き終えられて良かったと安堵安堵の思い出でした(笑) (2017年10月3日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - 色々なことが一気に動き出しましたね。それに負けじと一気に読ませてもらいました。ありがとう！楽しかったぁ。仕事も認めあっててOFFはいつまでもバカ騒ぎができて。ホントにいいチームワーク。こういう職場で働きたいな。村上先生が医師だって、一瞬忘れてました笑。 (2017年10月2日 23時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がくたん
| 作成日時：2017年4月8日 7時
