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『なので…。拓斗くんにも、きちんと現実をお話することをお勧めします。』
夫「六歳に、ですか？何が解ります？引っ越しと入院で、そうでなくても混乱してるんですよ？」
「…いや、だからこそ、です。」
夫「……。」
「子供って全部分かってるんです。親の変化やストレスも。その上で子供なりに、自分の何が悪かったのか、どうしたら元に戻るのか考えるんです。」
「現実を知らせることで、家族の一員という意識も芽生えて、一緒に困難に立ち向かう…。それが自己肯定にも繋がるんです。」
「…どうですか、拓斗くんも一緒に病気と戦う、僕らの仲間にしませんか？」
市村さんの鼻を啜る音だけが聞こえる暫くの沈黙の後、旦那さんが口を開いた。
夫「……、ごまめはいやや、…ですか。」
「ふはっ、まぁ。そうゆう事ですねぇ。」
丸「それですねぇ。」
『……？』
夫「大阪にいる時…近所の子らが皆年上で。皆、優しさで鬼ごっこでも捕まえないんですが、拓斗はそれが悔しくてよく泣いてたんです。」
夫「そっか…、明らかに何かが起こってるのは分かってるのに、ごまめは嫌ですよねぇ…」
旦那さんが、涙を流す市村さんに向き直った。
夫「涼香。拓斗にもきちんと伝えよう。その方が拓斗の為になるのなら、そうしよう。」
市「…でも、どう伝えたら…。」
『…市村さん。幼年期のお子さんに癌というものを教えるには、ポイントがあるんです。』
市「ポイント…」
『まず、ごまかさないこと。風邪とはちがい、長い時間の治療が必要であることをきちんと伝えるんです。』
『そして、感染る病気ではない事。抗がん剤の副作用の脱毛とか…見た目の変化も、その病気の人のものだけということです。潜在的に病気を恐れて、そばにいたくても、自分もこうなったらどうしようと思って側にいけない事もあるからです。』
『あとは、誰のせいでもない。仕方のない事なんだと言うこと。』
市夫「「……。」」
『これは、特に繰り返してしっかり伝えてあげてください。』
『その上で、普段通りの生活を保証してあげてください。お母さんの代わりに誰が拓斗くんの世話をして、家の事を手伝ってくれて、幼稚園にもちゃんと行かせてくれるのか。そして、お父さんは、仕事をしながら面会にも行くんだよ、みたいな家族の変化も明確に。』
市夫「「……はい。」」
『もし良かったら…、私達も拓斗くんに伝えるお手伝いをしたいと思うんですが、いかがですか？』
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がくたん(プロフ) - あきさん» 初めまして！コメントありがとうございます！上田さんのナースとしての姿勢、そんな風に言っていただけて嬉しいです。介護士さんの仕事も尊い素敵なお仕事ですよね。頑張ってくださいね！まだ続編で続いておりますので、よかったらそっちも読んでってくださいねー！ (2017年11月20日 6時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - はじめまして！今日この作品に巡り会って読ませていただきました。素敵なお話で夢中に読みました。介護士をしているのですが、上田さんのプロフェッショナルぶりに脱帽です。家族の思い、そこに向き合う姿が素敵で涙がでました。ステキなお話をありがとうございました。 (2017年11月19日 17時) (レス) id: c25913c797 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» そうそう、村上先生ね(笑)。私もつい忘れてまいそうになったので、すばるくんにあの一言を言わせましたとさ。まんま、私の心の声。笑。 (2017年10月3日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» うわー、読破！こちらこそありがとうございました！こんな職場いいなってお声を結構いただけて。最終的には７人プラス上田しゃんのの関係性の良さが表現できたのかな？って嬉しくなりました！何しろ無事に書き終えられて良かったと安堵安堵の思い出でした(笑) (2017年10月3日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - 色々なことが一気に動き出しましたね。それに負けじと一気に読ませてもらいました。ありがとう！楽しかったぁ。仕事も認めあっててOFFはいつまでもバカ騒ぎができて。ホントにいいチームワーク。こういう職場で働きたいな。村上先生が医師だって、一瞬忘れてました笑。 (2017年10月2日 23時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がくたん
| 作成日時：2017年4月8日 7時
