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出発する前の日、"はよ帰って来てな" って、少し寂しそうに言ってた章大さんの顔。
こうなる予感がしてたのかな。
あの日、私が村上先生と飲み直すってメッセージ送ったとき、どんな気持ちであの返信をしてくれたんだろう。
章大さんの表情や言葉を思い出して。
その時々の章大さんの気持ちを思ったら、次々涙が溢れてきた。
『っ、しょっ、…たさんっ、』
「…ん？」
『しょうっ、た、さんっ』
「うん。」
『っ、ごめっ、ごめんな、さいっ。』
「…なんで……」
『わた…わたし、がっ、しょうたさんのことっ、…おくりだしてっ、あげたかったのにっ、』
『…なのにっ、ごめん、なさい……っ』
「なんで謝んねや……。」
『だってっ、…わたしっがっ、しょうたさんのっ、かえって、くるば…っ、ばしょにっ、なりたかったのにっ、』
『ほんとにっ、ごめ…っなさ、いっ』
「なぁ、謝んなや……。」
章大さんが私の前にしゃがんで、私の顔を真っ直ぐ見上げた。
「やりたいこと…、A自身がどうありたいかってこと、見つけたんやろ？」
「それ…、おれの願い事やったんやで？忘れたん？」
「な？泣くなや……。」
暫く公園には私のしゃくりあげる声だけが響いて。
章大さんは膝の上でラテのカップを握りしめる私の手を優しく撫で続けてくれた。
私が落ち着いた頃、ポツリと章大さんが口を開いた。
「……いつ、行くん？」
『…村上先生は、できたら年内にって言ってた…けど、現実的には難しいかなって……。やっぱり、今年度いっぱい、かな…。』
「家は？」
『村上先生が知り合いの社長さんに言って探してくれるって…。希望の間取りとかは、聞かれた……』
「不動産にも知り合いおるんかいっ、ほんま、信ちゃんは…笑。 段取りの良さ、半端ないなぁ。」
「いつ、師長に言うん？」
『…今月末、来年度の意向調査があるから……』
『…でも、こんな研修出させていただいたのにって思うと、言いづらくて……』
「そら仕方ないやろ？タイミングってあるしな。ちゃんと話せばわかってもらえるよ、な？」
『……ん。』
「なら皆にはまだ知られちゃアカンよなぁ。」
『…うん、師長に話してから…。引き継ぎが必要な人には、話さなきゃって思ってる……』
「せやな、A、結構抱えとったもんなぁ…」
『…うん……。』
あと9ヶ月かぁ、マルが知ったら泣くなぁって、ヒヒッと笑った章大さん。
私はどんな顔をしていいのかわからなかった。
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がくたん(プロフ) - あきさん» 初めまして！コメントありがとうございます！上田さんのナースとしての姿勢、そんな風に言っていただけて嬉しいです。介護士さんの仕事も尊い素敵なお仕事ですよね。頑張ってくださいね！まだ続編で続いておりますので、よかったらそっちも読んでってくださいねー！ (2017年11月20日 6時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - はじめまして！今日この作品に巡り会って読ませていただきました。素敵なお話で夢中に読みました。介護士をしているのですが、上田さんのプロフェッショナルぶりに脱帽です。家族の思い、そこに向き合う姿が素敵で涙がでました。ステキなお話をありがとうございました。 (2017年11月19日 17時) (レス) id: c25913c797 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» そうそう、村上先生ね(笑)。私もつい忘れてまいそうになったので、すばるくんにあの一言を言わせましたとさ。まんま、私の心の声。笑。 (2017年10月3日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» うわー、読破！こちらこそありがとうございました！こんな職場いいなってお声を結構いただけて。最終的には７人プラス上田しゃんのの関係性の良さが表現できたのかな？って嬉しくなりました！何しろ無事に書き終えられて良かったと安堵安堵の思い出でした(笑) (2017年10月3日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - 色々なことが一気に動き出しましたね。それに負けじと一気に読ませてもらいました。ありがとう！楽しかったぁ。仕事も認めあっててOFFはいつまでもバカ騒ぎができて。ホントにいいチームワーク。こういう職場で働きたいな。村上先生が医師だって、一瞬忘れてました笑。 (2017年10月2日 23時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がくたん
| 作成日時：2017年4月8日 7時
