・ ページ44
『章大…、さん…。』
「どこ行ってもええよ。目標ができたら、迷わず進んでほしい。」
「でも、最後は必ずおれんとこに戻ってきてほしい。」
「おれが先にどっかに行く事になるかもしれん。」
「やけど、おれ、A離したない。その時は、ついてきてほしい。」
「どうやっても、最後は必ずそばにおってほしい。」
「ずっと、おれだけのAでおってほしい。」
「いつか必ず、安田Aに、なってください。」
「愛しとるんよ。ほんまに。」
「やから、お願い、します……。」
街灯と月明かりに照らされた章大さんの目が潤んでいて。
それらの明かりを含んで、キラキラと輝いて。
そんな綺麗な、真っ直ぐな目が私を捉えて。
一滴だけ、章大さんの思いが溢れて、頬を伝ったのが見えた。
優しさという蓋を、ほんの少しだけ開けて。
のぞかせてくれた、私への真っ直ぐな本心。
"めーっちゃワガママ" と、言う名の、
プロポーズの "予告編" 。
涙なんて堪えておける訳がなくて。
ポロポロポロポロ、こぼれてきた。
『そんなの……、ぜんぜん、ワガママじゃ、ないっ…』
「"好き" って言葉はAに先に言われてもうたから…。愛しとるなんて、ほんまはよう言われへんけど、おれから言いたかってん。」
「はぁ、言えたぁ…。」
って、安堵のため息を漏らしながら、私を抱き寄せて、背中を優しく擦る章大さんからも、小さく鼻を啜る音。
私のしゃくりあげる声と、章大さんの鼻を啜る音、穏やかな波の音が響く空間がそこにあった。
『章大……さん？』
「ん？」
『章大、さん。』
「うん。」
優しく背中を擦りながら、優しく返事してくれる、愛する人の声。
何よりも安心する、広い胸。
『私、今日ね。章大さんがいてくれて良かったって、何度も思った。』
『一人になった瞬間に、不安で、心細くて、おしつぶされそうになって…。』
『でも、章大さんが戻ってきてくれる度、すごくほっとした自分がいて。』
『自分でもびっくりするほど、章大さんに頼りっきりで、こんなに私って弱かったっけ、って思った。』
『ずっと一緒に働いていけない事なんて、本当は分かってる。』
『でも、ずっと一緒にいたい。』
『章大さんのいない人生なんて、考えられない……。』
『私こそ、よろしくお願いします。』
『いつか、安田Aにならせてください。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 968人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» Nobuさんのほうが真をついてますよ、大倉先生より(笑)。仰る通り、正解なんてものはなくて。どこに重きを置くかも人それぞれ。想いの強さ、意思の強さ、願いの強さ、絆の強さ…。色んな選択肢があるなかで、この二人は何を選んでいくのか。岐路に立つ二人の話です。 (2017年9月27日 23時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - 強くなる…一生懸命頑張ったら強くなれる訳でもないし、自分では強くなったつもりでもまだまだ弱いかもしれないし。難しいですね。大倉先生の言葉、突き刺さります。 (2017年9月27日 21時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - 亜季さん» 一歩踏み出して、臆する事なく道を進んでも、上田さんへの愛情、優しさは忘れない。そんな、一皮むけた安田先生ならではのプレゼントでした♪いつもしてるマ○チュのオーシャンにゴールドがあったら、きっと大事な人に送るだろうなって思って書きました♪ (2017年3月10日 23時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - 安田先生ロマンチスト・・・！素敵！ (2017年3月10日 13時) (レス) id: 327514e65b (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - 亜季さん» 私も上田さんほどの強さはありません〜(苦笑) そのくせにこんな展開にしてしまう私。笑。安田先生と上田さんのネクストステージ、見守ってくださいねー！またお待ちしてまーす♪ (2017年3月8日 7時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：がくたん
| 作成日時：2017年2月13日 12時
