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大「失礼しますー。どうですかー？上田さん。」
父「あっ、先生っ。お陰さんで全く何ともないですわ。ありがとうございましたっ。」
大「良かったです、ちょっと今日は酸素マスク着けとってくださいねー。心電図は暫くお願いしますー。」
もう心配ないですからねーって、緑のユニフォームに白衣を羽織って、のんびり話す大倉先生が、思い出したように振り返った。
大「で、何でヤスがここにおるーん？」
「それは俺の台詞や。」
父「はえっ、先生と安田さん、お知り合いでしたんかー？」
「ああ、そうなんです。大学の友人で。」
父「そりゃ更に安心だー、有難いこっちゃ。」
母「もう朝から驚いてばっかりで、私の心臓がもたないわっ。お父さん倒れるし、Aは素敵な彼氏連れてくるし、安田さんは大倉先生とお友達だしっ」
大「ええっ、ヤス、娘さんの彼氏やったーん？」
「そりゃそうやろ。じゃ何で私服で俺ここにおんのや。」
大「あーっはっはっはっ！確かに！仕事ちゃうねんなぁ」
なんやねーん、上田さん、めっちゃ綺麗な娘さんおるーって思ったんにーって、ひとり爆笑する大倉先生。
端整な顔立ちをくしゃっとさせて、屈託なく笑う大倉先生を見てると、自然とみんなもつられて笑ってしまうような、そんな笑顔だった。
母「お父さんも落ち着いてるし、二人とも帰っていいわよ、本当にありがとうね。」
『えっ、でもお母さんは？』
母「私はもう少しいるわ。」
「いえ、僕らも大丈夫なんでっ。帰りお送りしますしっ」
母「大丈夫よ、電車とバスで帰れるしっ」
「でもっ」
って、最早お約束のようになった二人の応酬が始まった。
大「ヤス、相変わらず優しなぁ」
って白衣のポケットに手を突っ込んでニコニコする大倉先生。
父「…公子。お前慌てて救急車乗ったんに、そんな金、持っとるんか？」
『そうだよ、さっき保証金も払ってたでしょ？』
母「えっ？はらっ？あらっ？」
って、慌てて財布を漁る母。
母「……はーもう私ったらっ、残り320円しかなかったわーっ」
顔を赤らめてため息をついた母。
その瞬間にまた、
あーっはっはっはっ！
って、大倉先生の笑い声がして。
つられて皆で大笑いした。
笑いながら目尻を拭った章大さんが、
「お母さん、僕らほんま大丈夫ですから。目一杯お父さんとこおってから、一緒に帰りましょ？」
って柔らかい関西弁で言ってくれて。
その暖かさにまた涙が出そうになった。
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がくたん(プロフ) - NobuYouさん» Nobuさんのほうが真をついてますよ、大倉先生より(笑)。仰る通り、正解なんてものはなくて。どこに重きを置くかも人それぞれ。想いの強さ、意思の強さ、願いの強さ、絆の強さ…。色んな選択肢があるなかで、この二人は何を選んでいくのか。岐路に立つ二人の話です。 (2017年9月27日 23時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - 強くなる…一生懸命頑張ったら強くなれる訳でもないし、自分では強くなったつもりでもまだまだ弱いかもしれないし。難しいですね。大倉先生の言葉、突き刺さります。 (2017年9月27日 21時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - 亜季さん» 一歩踏み出して、臆する事なく道を進んでも、上田さんへの愛情、優しさは忘れない。そんな、一皮むけた安田先生ならではのプレゼントでした♪いつもしてるマ○チュのオーシャンにゴールドがあったら、きっと大事な人に送るだろうなって思って書きました♪ (2017年3月10日 23時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - 安田先生ロマンチスト・・・！素敵！ (2017年3月10日 13時) (レス) id: 327514e65b (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - 亜季さん» 私も上田さんほどの強さはありません〜(苦笑) そのくせにこんな展開にしてしまう私。笑。安田先生と上田さんのネクストステージ、見守ってくださいねー！またお待ちしてまーす♪ (2017年3月8日 7時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がくたん
| 作成日時：2017年2月13日 12時
