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さっきまで安田先生の緊張感を感じて、何とか解したらなって思うとったんやけど。
オペ室入ったら僕が落ち着かんくなってきて、
まだ始まっとらんのに、ガウンの下のオペ着はびっちゃびちゃ。
手汗もハンパなくて、手がふやけるんちゃうかぐらい、ビチャビチャやった。
対して、安田先生。
オペ室に入ってきてからの雰囲気が別人のようやった。
麻酔導入中も目を閉じて指を解しながら集中しとる姿。
伝わってくる気合いがハンパなくて、思わず武者震いした。
やっぱ上田しゃんに会えたからやろか。
上田しゃん、最近の安田先生の激務と疲弊に反して、いつもの穏やかな中にも何か覚悟を決めたような表情しとった。
きっと、安田先生を支えようっていう覚悟や。
でも、いつも穏やかで余裕のある上田しゃんが、さっきは少し緊張した顔をしてはった。
初めて感じた頼りなげな雰囲気。
思わず、安田先生の動きを止めて、一瞬だけでも2人だけの時間を作ってあげたなった。
でも、安田先生は僕らのすぐ後ろを来はったから、言葉を交わしたとしてもいいとこ一言くらい。
でも、それで十分やったんやろう。
今度は安田先生のオーラが変わった。
まさに安田先生にとっては、
上田しゃんのたった一言が、神の一声やったんやろうな。
やっぱすごいねんな。この二人。
何もかもシンクロしとんねんな。
「よし、切除終了。洗浄。」
山「はい。」
丸「吸引管ください。」
山「はい。」
ｼﾞｭｼﾞｭｼﾞｭｯ…
もう少しで終わりますえ。
上田しゃん、
先生はほんまに上田しゃんの事、大切にしてはるよ。
終わったらいつものように"お疲れ様ーっ"って言うてあげたって。
「洗浄終了。閉創前タイムアウト。」
山「ガーゼカウントを。機械確認します。」
看護師「ガーゼ枚数よし。」
丸「術野機械取り残しなし。」
山「機械カウントよし。」
「よし、閉創開始します。」
ｶﾁｬｶﾁｬ…
「ハサミ。」
山「はい。」
ﾊﾟﾁﾝ ﾊﾟﾁﾝ ﾊﾟﾁﾝ
「…閉創終了。」
「「「ありがとうございました。」」」
「先生、お願いします。」
麻酔医「覚醒開始します。」
ふーって大きくひとつ息を吐いて、ガウンと手袋を脱ぐ安田先生に、
丸「ほんまに助手をさせていただいてありがとうございました。」
と、声を掛けたら。
「いやー、マルのあの声、神やったで！」
ってくしゃっと笑って肩を叩いてくれた。
僕は涙が出そうになった。
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がくたん(プロフ) - NobuYouさん» Nobuさんのほうが真をついてますよ、大倉先生より(笑)。仰る通り、正解なんてものはなくて。どこに重きを置くかも人それぞれ。想いの強さ、意思の強さ、願いの強さ、絆の強さ…。色んな選択肢があるなかで、この二人は何を選んでいくのか。岐路に立つ二人の話です。 (2017年9月27日 23時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - 強くなる…一生懸命頑張ったら強くなれる訳でもないし、自分では強くなったつもりでもまだまだ弱いかもしれないし。難しいですね。大倉先生の言葉、突き刺さります。 (2017年9月27日 21時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - 亜季さん» 一歩踏み出して、臆する事なく道を進んでも、上田さんへの愛情、優しさは忘れない。そんな、一皮むけた安田先生ならではのプレゼントでした♪いつもしてるマ○チュのオーシャンにゴールドがあったら、きっと大事な人に送るだろうなって思って書きました♪ (2017年3月10日 23時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - 安田先生ロマンチスト・・・！素敵！ (2017年3月10日 13時) (レス) id: 327514e65b (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - 亜季さん» 私も上田さんほどの強さはありません〜(苦笑) そのくせにこんな展開にしてしまう私。笑。安田先生と上田さんのネクストステージ、見守ってくださいねー！またお待ちしてまーす♪ (2017年3月8日 7時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がくたん
| 作成日時：2017年2月13日 12時
