Dr.call 5

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丸「藤岡さん、状況教えて？」

藤「飯島さんを探して中庭に来たんですけど、須賀さんの悲鳴で振り返ったらご主人が首を押さえて苦しんでて。チョークサインだったので、窒息と判断してハイムリックを行いました。」


藤「それで声は出るようになったんですが、私の身体が小さいせいで、何度も試みましたが、出すことまではできなくて。それで上田さんに応援要請しました。その後も背部叩打を継続しました。」


宮「僕がついた時にも発声はあったので、完全閉塞は長くても三分以内かと。」


須「本当に藤岡さんがいらしてくれて助かりました！すぐに処置してくださってっ、宮本先生もすぐに飛んできてくださってっ、」


丸「ほんま良かったですねぇ、一応手足もしっかり動きますし、意識も大丈夫ですが、念のために検査して、経過観察で入院した方がええと思いますんで。救急外来にお連れしますねぇ。」



須賀夫「ゴホゴホっ、本当に…ありがとう、ございました…っ、お二人には何て…お礼を言ったら……」


藤「本当に良かったですっ、苦しかったですよねー、すぐに取ってあげられなくてすみませんでした」


宮「僕もですよ、もう少し早く楽にしてあげたかったのに、すみません。無理にお話しなくて大丈夫ですよ、ゆっくり深呼吸続けましょう。」


須賀夫「いやいや……本当に、ありがとう……っ」ｺﾞﾎｺﾞﾎ



丸「じゃあ、救急外来に移動しましょかー。レントゲンも撮りたいし。須賀さんも一緒に行きます？大丈夫？歩けますか？」

須「あっはいっ、大丈夫です、お願いしますっ、」


藤「私須賀さんの車椅子とってきます！」ﾀﾀﾀｯ


丸「すんませーん、お騒がせしましたぁ、ストレッチャー通して貰ってええですかぁ？」



若い二人の活躍で九死に一生を得た須賀さんのご主人。
処置が早かったので検査の結果、特に治療も必要なく、経過観察で一泊で無事に退院の方針となった。


いつの間にか中庭には患者さんや面会者、
院内救急コールで集まったスタッフで人垣ができていて。
安堵のため息と歓声の中をくぐり抜けて救急外来へ移動する時に、飯島さんの姿がチラッと見えた気がした。





〜翌日〜

『失礼します、勤務交代のご挨拶に来ました。夜担当します、上田です。宜しくお願いします。』


須「昨日はどうもありがとうね、主人も無事に退院しましたっ」


『あら良かったー！ホッとしましたねぇ。後遺症もなくて本当に良かったですねっ。では、夜お願いしますね。』

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