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繁華街を無言で進むすばるくん。
引っ張られた状態でついていく私。
夏のあの日以来に見たすばるくんの剣幕に、最初は怯んでしまったけれど。
"俺の女を傷つける訳ない"
その言葉が持つ意味。
本当に怒って呆れているなら、
どうでもええと思っているなら、
一人で出ていったはず。
でも、目の前にはすばるくんの後ろ姿。
私の腕を掴む、
痛くないように、でも、
離れないように加減されたすばるくんの力が。
私を掴んだまま離さない、
すばるくんの左手が。
絡めた華奢な指が。
離れていくどころか、
掴んでいてくれることによって、
二人の距離をゼロにしていた。
それは明確な意思をもって、この行動で私に何かを伝えようとしていてくれてる事。
歩を進めるごとに、その事に気がついて。
私の気持ちも伝わってほしくて。
そっと、歩調を合わせていく。
左手に抵抗を感じなくなって、私の気持ちが伝わったのか、
すばるくんは、するすると私の手首まで左手をスライドさせて。
一度だけ確認するようにぎゅっと握った後、
もうひと段階、手の力を緩めて。
前を向いたまま、私の手首を握って歩いた。
その姿は、もう誰もDV男と暴力に怯える女に勘違いする事もないはずで。
この街に沢山おる、ごく普通のカップルのそれと、一緒やった。
「……。」
『……。』
無言のまま、さっき来た道を迷うことなく戻っていくすばるくん。
途中で、ピタリと足を止めた。
『……、』
すばるくんが何を言わんとしているのか知りたくて、すばるくんの横顔を見つめる私。
でも、私を見ることなく、顎で店をしゃくってみせて、
「ここ。」
と、一言。
また、少しだけ左手に力を込めて、
"行くぞ"という合図を出して。
無言で歩き出した。
慌てて歩調を合わせる私。
また数10メートル歩いて、ピタリと止まって。
「ここ。」
そして、また歩き出す。
『……っ、すばるくん？』
私が発する疑問符のついた彼の名には、全く反応することなく。
それを数回繰り返しながら、車へ向かった。
ｶﾞﾁｬ
「乗り。」
助手席のドアを開けて、また顎でしゃくって一言。
黙って従うと、ドアをバンッて閉めて、運転席に乗り込んできた。
エンジンをかけてギアを入れたら。
『っ、』
また無言ですばるくんの左手が伸びてきて、
その華奢な指が。
今度は私の指を絡めとった。
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がくたん(プロフ) - ふちさん» ありがとうございます♪現実世界の男前さん達の硬い絆が、見ている私達を幸せな気持ちにしてくれて。そんな幸せを貰っている私から西崎の男前達が産まれて。それを読んで下さる方々がほっこりして下さって…って、ホンマに嬉しい∞サイクルです♪エイト、最高ですね♪ (2018年3月4日 17時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
ふち(プロフ) - それぞれの想いが優しく組み込まれていて嬉しいような羨ましいような気持ちになりながら読ませていただきました。私も西崎に行ってまほろばに泊まりに行きたいです。 (2018年3月3日 0時) (レス) id: 2aa06fc984 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - ちょびさん» ありがとうございました！まほろばの空気感は人の暖かさがあってこそ！ですからね♪この作品、エイトさん以外にぴったりくるグループはいないなぁと本当に思います。この仲間、最高ですね！また落ち着いたら戻ってきます！宜しくお願いします♪ (2018年2月21日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - てんてんさん» んふふー、てんてんさんの名言に私の作品必須だなんて光栄です(笑)また楽しみにしてますねー！ (2018年2月21日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
ちょび(プロフ) - 素敵なエンディングですね。すばるさんの言葉がジーンときました。みんながそれぞれに違う場所で生まれ育ち出会い、お互いや周りの人との気持ちが通じ合う時に次のステップに行けるんですね。オジイオバアの温かさもいいし、仲間っていいな〜って。次また会えるまで！ (2018年2月20日 20時) (レス) id: 73b5440736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がくたん
| 作成日時：2018年1月8日 8時
