・ ページ12
朱「せんせー、さよおならーっ」
先「はいっ、朱音ちゃん、また明日っ♪」ﾊﾟﾁﾝ
幼稚園バスから降りた朱音が、先生とハイタッチをして、
先「今日はお利口にお昼寝できましたっ。」
私達へ手渡される。
『ありがとうございました。』
「おぉー、偉いやんか、朱音ー。」
先生に頭を下げる私。
しゃがんで朱音を撫でるパパ。
３人で並んで歩く、いつもの帰り道。
砂浜に凹の字の影を作る。
朱「今日なぁ、サンタさんにお手紙書いてん。」
『なんのお手紙？』
朱「プレゼントお願いしますのお手紙ー。」
朱「それ書いたらな、欲しいものが必ず届くんやてー。」
「へぇ、便利な世の中やなぁ。リクエスト制か。そらサンタさん、間違えないわなー。」
『ふふっ、なんて書いたん？』
朱音が私達の手をパッと離して、
数歩前に出て、振り返ったあと、
満面の笑みでこう言った。
朱「パパのCDっ♪」
『……っ、』
「、、」
そして、
朱「あーっ、またあの鳥やぁーっ！！」
朱「今っ！今ザバーンって飛び込んでんでーっ！？」
って、おおはしゃぎで波打ち際に走って行った。
「……マジか、、、」
唖然とするパパ。
『ふふっ、娘の夢、叶えたらんなアカンねぇ。』
私の言葉に、髪をくしゃっとかきあげた。
「……、」
『……あ。』
今日被ってたハット。
「…最悪や。よりによって……」
もうあの店行かれへんのにって項垂れるパパに。
『クリスマスプレゼントに買ってあげる♪』
やから、また二人でデートしよ♪って囁いたら。
「……、ほんっま、お前らは、、」
って、また拳を口元に当てて、顔をしかめるから。
『何よ？』
って、両手で力一杯、その手を下ろした。
「……タやねん。」
目を背けて呟くパパ。
『え？』
「……ホンマ、俺のサンタやっ！」
『…は？意味わからん…、』
顔を赤くして言うけど、意味がいまいち解らへんくて。
聞き返した私に、少しイラ立ちながら。
「っ、親以外に無条件でホンマに欲しいものくれんのは、サンタだけやろっ！」
「俺の欲しい幸せ、みんなくれたんはお前らだけや、言うことや、ぼけぇっ！」
って、巻き舌で、大声で捲し立てた。
『……///』
「…アカン。めっちゃハズいヤツやん…///」
チンピラみたいな口調で、そんな事言ってしまう愛しい人の頬に。
私は、そっと口づけをした。
〜「俺のサンタ。」end〜
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1248人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がくたん(プロフ) - ふちさん» ありがとうございます♪現実世界の男前さん達の硬い絆が、見ている私達を幸せな気持ちにしてくれて。そんな幸せを貰っている私から西崎の男前達が産まれて。それを読んで下さる方々がほっこりして下さって…って、ホンマに嬉しい∞サイクルです♪エイト、最高ですね♪ (2018年3月4日 17時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
ふち(プロフ) - それぞれの想いが優しく組み込まれていて嬉しいような羨ましいような気持ちになりながら読ませていただきました。私も西崎に行ってまほろばに泊まりに行きたいです。 (2018年3月3日 0時) (レス) id: 2aa06fc984 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - ちょびさん» ありがとうございました！まほろばの空気感は人の暖かさがあってこそ！ですからね♪この作品、エイトさん以外にぴったりくるグループはいないなぁと本当に思います。この仲間、最高ですね！また落ち着いたら戻ってきます！宜しくお願いします♪ (2018年2月21日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - てんてんさん» んふふー、てんてんさんの名言に私の作品必須だなんて光栄です(笑)また楽しみにしてますねー！ (2018年2月21日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
ちょび(プロフ) - 素敵なエンディングですね。すばるさんの言葉がジーンときました。みんながそれぞれに違う場所で生まれ育ち出会い、お互いや周りの人との気持ちが通じ合う時に次のステップに行けるんですね。オジイオバアの温かさもいいし、仲間っていいな〜って。次また会えるまで！ (2018年2月20日 20時) (レス) id: 73b5440736 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：がくたん
| 作成日時：2018年1月8日 8時
