鍵。 ページ7
『制作部ですけど、プロジェクター出したいんで、倉庫の鍵お借りします。』
総務「はいどーぞー、そこにかかってません？」
『いや、えと……』ｷｮﾛｷｮﾛ
総務「あぁ、さっき橋本さんが制作部の人と倉庫行ったかも…多分開いてますよー、どーぞー」
『……。』
橋本さんと、制作部？
さっき、そーいえば、しょーたはいなかった。
もしかして。
途端にむくむくと沸き上がる黒い渦。
そう、嫉妬心。
二人っきりの時間は作ってほしくない、
でも、二人でいる姿は、見たくない。
どうしよう。
でも、プロジェクターも急いで必要。
意を決して、倉庫に向かった。
『…開いてる、』
半開きの扉から漏れる明かり。
中で人の気配。
「……そうなんー？知らんかったー、そこは行った事ないわー」
しょーたの声。
橋「そう、とっても美味しいんですよっ」
……橋本さんの声。
やっぱり。
橋「よかったら、こんど、」
ｶﾞﾀﾝ
「っ、おおっ。ビビったー。」
二人の会話の山場を遮るように音を立ててしまった。
子供かっ！っていう大倉くんのツッコミが聞こえそう。
本当に子供だ。私。
『、お邪魔してすみませーん。』
「何やねん、」
橋「……。お疲れ様ですっ。」
「何取り来たん？」
『プロジェクター。』
「ええ、おれ取りに行く言うたやんかあっ」
『知らない、聞いてなかった。別件？』
「ちゃうよ、午後の会議のやでっ」
『ああ、それだ。じゃ、いいわ。お願い。』
黒い感情がどんどん私を意固地にして、
表情を固まらせて、声を抑揚のないものに変えていく。
駄目だ、これ以上ここにいちゃいけない。
『戻ってるから、あと宜しく。お邪魔しましたー。』
振り向きもしないで廊下に出た。
そのままツカツカと歩いて、角を曲がって。
『……はあぁぁーっっ、』
駄目だ。泣きそう。
私、全っ然可愛くない。
そりゃ、しょーたも好きになってくれる筈ないわ。
壁に凭れて、涙が出ないように上を向いて。
おもいっきり深呼吸をしていたら、
丸山「どうしはったの？」
総務の丸山さん。
『ああ、すみません。ちょっと…』
動こうとしたら、
丸「疲れとるんやない？顔色悪いで？」
って、心配そうに近づいてきた。
『大丈夫ですっ、すみません、』
身体を起こそうとしたら、
丸「あらあら、そんな警戒しないでー？笑」
ふにゃんと笑った丸山さん。
『いえいえ、そんな事っ、』
「Aー」
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がくたん(プロフ) - ブルームーンさん» やだー！４回も！！嬉しすぎますー！！！私、ブルームーンさん、大好きです！神読者様やー！！･(つд`｡)･｡ (2018年9月25日 23時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - ４回目読んでしまいましたー！好きです！ (2018年9月23日 6時) (レス) id: 12f3ff3be9 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» こちらまでありがとー！御都合主義のほうで述べたよーに、彼のもつ色んな顔を作品毎に書きたくて、こんな感じになりましたぁ。人当たりは大事やけど、八方美人は…ね。そうやね、似てるようで大きな違いですね。何はさておきお気に召してもらって良かった(^o^) (2018年9月15日 22時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - 今までがくたんさんのお話に出てくるヤスとは違って、感情を結構表に出してますね。不機嫌になるヤスって可愛い！人当たりは良いけど、八方美人にならないのは尊敬します。私もそんな人付き合いを目標にして。ふわっと書いて、こんな素敵なお話になるなんて、天才！ (2018年9月15日 18時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - ブルームーンさん» ありがとうございます！３回も！！涙ちょちょ切れですー(;´Д⊂) また短編も書きたいなぁなんて思ってますので、よろしくお願いします♪ (2018年3月21日 22時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がくたん
| 作成日時：2017年11月5日 11時
